時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2026-01-17CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2026年(令和8年)、あけましておめでとうございます。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズです。

今回は年が明けてからのんびり書き始めてたりするわけですが、わずか数日の間にいろんなニュースが飛び込んできていろんな意味で「揺れてる」新年早々となりましたが皆様の新年はいかがでしたでしょうか。ちなみに長周期振動なのか私の体が加齢でプルプル震えているのかはわかりませんが、その日、卓上に置いてるコーヒーサーバー内のコーヒーの湖面と言いますか水面がいつまでも微かに波立っていて日本に絶対安全な場所などというものは無いなと確信した年明けです。

投稿してから今日は「あの日」だったかと気づきまして。そうかもう 31年も経つのかと。

まずはR6/GR関連の話を……と思ってもな~~んにも書くことないのはいつも通りといいますか、なんでこのブログを続けてんのか分からなくなるくらい動き無いんですよね。聞くところによると某U社では結構な数の人員整理が続いているそうですが、こういう時に真っ先に出ていくのは超優秀な人からと決まっている気がしますのでさてさてどうなることやら。

その全く音沙汰のない新作GRですが、ドローンの扱いをどうするんでしょうねぇ(前回もこのネタで書いた気がする)。たぶん制作チームも「本当にこれで近未来を表現できてる?」と疑心暗鬼になっていると思われます。カギは「対ドローンのゲームメカニクス」をどう作るかにあると思いますが、やりすぎると「もうこれ人間(プレイヤー)要らないじゃん」になるのでさじ加減が難しいんだろうなと。

今、東欧の戦場で起きてるドローン戦術の異常進化はコストをある一定ラインに留めた状態で多様化しているわけで、このラインを越えて高価なものにすると既存の精密誘導兵器と同じステージに上がってしまって優位性を失うわけです。

国内に電子産業の基盤というか先端ファウンドリ等を持たない国家同士によるある意味「貧者の戦術」合戦の革命が起きているわけですが、じゃあファウンドリを持つ先進国家相手にその戦術が通じるかというと時間の経過とともに対策されてそのうち通じにくくなる周期に入るだろうなという予感はします。今、西側陣営が急ピッチで自国内に最低限のファウンドリを設置しようと血眼になっているのもそういう「含み」なんだろうなと。

ドローン戦術の近未来を描くということは「基盤を持つ者」と「持たない者」との差を描くことなんだろうと思いますが、ゲームではどうなるんでしょうね。

かの東欧の戦争はそろそろ 4年目に突入しますが、場外で進むいわゆる「話し合いのテーブル」につくメンバーが酷いといいますかグレートゲーム参加プレイヤーの質がここまで偏っているタイミングってのはそうそうないんじゃないかなと。あまり他国の国家元首等々について私なんぞが語るのは下品極まりないのでやめときますが、なんだかなぁ。

今年はなにか興奮して書けるような「良い動き」がたくさん起きますように。

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2025-01-04CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2025年、あけましておめでとうございます。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、ゲームそのものより制作してる側の情けない話で始終盛り上がった気がする一年でありました。

これまでこのブログでは作を重ねるごとにピントがボケていく Ubisoft の方向性を結構な頻度でこき下ろしてきた気がしますが、それはあくまで原理主義者的な怨嗟でありまして一般層の評価とは隔絶していたと思うのです。ところが……

いつの頃からか Ubisoft は一般層にもわかり易い「残念な話が漏れ出続けるネタスポット」と化しておりまして、いよいよ Assassin’s Creed SHADOWS(以下ACSと略)の登場でもってネタ的に一つ上のステージを目指す「より苛烈な炎上」といいますか爆轟にチャレンジする一年となったのではと思うわけです。

ゲーム内の設定を理由に「ごく一部の極端な主張をする集合」ひとつに目をつけられローカルに炎上する(そして初動にちょっと影響する)というのは割りとよくある話なんですが、ACSの凄いところは世界中に散らばる「ごく一部の極端な主張をする集合」をジャンルを超えて呼び寄せる「多岐に渡るやらかし魅力」を秘めているところでして。

また集まってきた「めんどくさい集合」それぞれの天敵/捕食者たるこれまた「めんどくさいカウンター勢力」が嗅ぎつけて参戦する副次効果まで発動し、その騒ぎにかたぎのゲーマーが群れ集うという三次効果をも含めた炎上商法として最先端の思想/属性を詰め込んだ祭りとなってしまったわけです。断絶の時代、決して分かり合うことのない勢力が睨みあうど真ん中を「サミュラーイ/ニンジャー」を掲げて全方位を無神経に挑発して突っ切ろうとするそのスタイル、流石です。

一部では陰謀論を閉じ込めていた釜の蓋がずれてドロドロとしたものが漏れ出してそうな四次的な話も聞こえてきますので炎上商材としてもまだまだ未知の可能性を秘めた間違いなく特級の構成といいますか、爆轟を得るための信管の設置個所や雷管の盛り方、燃焼速度のブーストのさせ方は本当にうまいなと感心するのであります。この状態で今年 2025年に某社 Monster Hunter シリーズ最新作と同時期の発売で激突するらしいのでとてもとても楽しみです。

Ubisoft は 1月10日付でACS発売を 3月20日に延期すると発表しました。

個人的にはゲーム自体普通に面白そうなんで大きなセールが掛かった時に買ってみようかなと。

たぶんですけど、問題の始まりは「強そうなアジア系男性の描き方が分からない」ってあたりなのでは、と。まして死に臨む強そうな日本人男性像というのが西洋人には皆目見当がつかない。女性の方は日本発の「戦う少女コンテンツの氾濫」で簡単にイメージできる。うん、まぁ、ただただ研究不足かなぁと。

とまぁ、作ってる側のお話はさておき。数年前にGRシリーズが動き始めているという話がありましたが続報が何一つ聞こえてこないあたり、たぶん「近未来的な戦闘デザイン」ができずに相当困ってるんだろうなという気がします。ウクライナでの戦闘の在り様の遷移には目を見張るものがあり、正直に申しますと「もう人間が自律系AIのサポートなしであの中を生き残るのは不可能では?」という気がしますし。この辺の話は書きたいことがだいぶ溜まってるんでまた別の機会に。

こんな感じで今年もよろしくお願いします。

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2024-01-27CATEGORY:R6/GR seriesTAG:,

(0000Z)2024年、あけまして。年明け元日の災害でどんよりする感じですが、ちょっとずつでも進んでいきましょうという感じで。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、昨年は既存タイトルではほとんど動きありませんでしたね。一昨年 2022年の噂でGRシリーズの続編に取り掛かっているという報せがありましたが続報がないのでなんとも。ここ最近の Ubisoft は難産化するタイトルが何作か続いてスケジュールがだらだらズルズル後退を繰り返す印象でして。醜聞だのコロナだのアホな侵攻だので大変なんだろうなと。

侵攻関連はいろいろ書きかけたんですが、どれも後半に「現代戦の思想/思考はそこへ至る途中の段階を順に理解しないと身につかない。そして現代戦に合わせて ―― または少し未来を見据えてデザインされた兵器はその機能を十分に発揮できない」的な文章と「想定した戦闘モデルはその一部で機能不全を起こすと瓦解する」的な文章が混ざってきてイマイチな流れになるんで没に。

F-16 関連も幾つか書きかけたんですけど、なんといいましょうか、うまく機能するといいなぁと。F-16 も飛んでる間は西側想定モデルが有利目に出るかもしれませんが、地上に降りて巣を特定された瞬間から東側モデルの飽和攻撃にさらされるのでどうなるかなぁと。空港近隣の情報提供者によって「今、空に上がっている航空機リストと空港内にいる航空機リスト」をそれなりの精度で作られると狩られるのは時間の問題のような気も。特に借り物の航空機の場合、機体の一部をちょっと壊すだけで十分なんですよねぇ。どうかなぁ。

戦争に限らず「戦う」と口にするのは簡単だけど「勝つ」ってのはホント難易度たけぇなぁと。そんな感じで今年もよろしくお願いします。

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2023-01-01CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2023年、あけましておめでとうございます。ここ数年コロナ関連でウンザリしてるところに戦争だの要人襲撃だのと昨年はびっくりするような年でしたので今年こそは、と言いたいところですが戦争はどうにも長引きそうですし。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、R6Eは触れようにも数値のあるソースがほとんどなくて凄く書きにくかったり。数値上で Game Pass との分離ができないんですよね。英国の月ごとセールスランキングに発売直後に一度だけ 4位で載った後さっぱり途絶えましたので多分そういう感じなんだと思います。ヘレフォードあたりで Eddie Price 最先任上級曹長泣いてそう。

てなわけで昨年はやはり「侵攻」が一番の(書きやすい)トピックかと思いますので、これにGRを絡めて。

昨年の侵攻がこれからのゲーム界隈にもたらすであろうインパクトは本当に大きくて、この組織/兵器はこのぐらいの性能/位置づけだろうというゲームデザイナーの認識が大崩壊したわけです。と言っても、それはあくまでゲームデザイナーの「認識」や遊ぶ側の「願望」との均衡点が現実とかけ離れていたことが明白になっただけなんですが、これからはもうこの認識のままでは出すわけにはいかない。情報を更新しないと出す前から陳腐化してしまうことが確定してしまうというとんでもない流れになってしまったわけです。冷戦の決着がようやくゲーム界隈にも行き渡った瞬間、という表現をしてもいいかもしれません。

で、その流れをモロに食らうのが「近未来の歩兵戦闘」をテーマの一つとして持つ我らがGRシリーズなんですね。

GRシリーズは作品ごとに「その当時の次世代戦闘思想/技術」が盛り込まれて「GHOST 凄い」を醸すのが重要な要素となっています。ですから現実で起きた軍事技術/思想面の衝撃を正しく取り込んでいかないと公式フォーラムは発売前から変な空気になること間違いなしです。だってGR原理主義者が大暴れしますから。そこだー、いけー、踏んじまえー、踵でー、かかとでー。そんなわけで侵攻を受けて扱いの変わりそうな要素をいくつか見ていきましょう。

まずはドローン。それも敵方が使うそれ。ドローンの脅威自体は侵攻前の他紛争で判明していました。注目すべきは新興国のドローン技術が市場のニーズを性能的にも価格的にもがっちり押さえているという点でして、これはつまりこれからの反米的な武装勢力は高い確率でドローンを投入してくる時代になったということでしょう。

ドローン自体はGRシリーズではすっかりおなじみの装備となってますが、これまでの作品では敵はドローンを持っていないか持っていても割と控えめな位置づけでした。控え目というのは、例えば直近のGRBでは敵もドローンを運用しているわけですが、これに対して公式フォーラムでは「ドローンうぜぇ、なくせや」の大合唱が起きていた時期がありまして。

ゲーム内でのドローンは主に偵察用途でしたが、現実はあっという間にゲームを超えて攻撃的な運用が始まっており、ぼんやりつっ立っているとどこからか聞こえる敵味方不明のドローン飛翔音とともに遥か頭上から特攻してきたりグレネードが降ってくるという「現実の戦場のクソゲー化」があまねく知れ渡ってしまった。

でもだからといってドローンを控え目にするとリアリティがないと酷評され、少し強めるとクソゲーと罵られる ―― この「遊ぶ側の認識と現実との大きなズレをゲームデザインでどうやって埋めるのか」という難題を Ubisoft は背負うことになったわけです。米軍の「自軍兵士にクソゲーを強いないよう」戦闘理論を研究している機関ですら模索の段階にあることを、ゲーム会社が取り組む羽目になったのですから相当高いハードルとなるのではないでしょうか。

次に戦闘車両や航空機の位置づけ。

昨年の侵攻では開戦初っ端の重大な戦略ミスで過剰に地上車輛がボコられる/鹵獲されまくる事態となりましたが、その辺の事情を差し引いても地上車輛は今のままでは戦闘理論的にも選択肢が細くなることがほぼほぼ確定したように思われまして(戦車不要論とはまた別ベクトル的。攻勢を「重く」するためには絶対に必要)。特に航空優勢をとれない戦場が第一次世界大戦レベルでの塹壕戦にまで後退するとは思ってもみなかったわけです。

もちろんこれは長距離砲撃の異常に高い命中率をたたき出すハイテク砲弾の登場や戦闘小隊のほぼ全員がなにがしかの対戦車兵器を携行しているという異常事態等々、複数の要素があってのことですがこれはゲームの戦場の設定 ―― とりわけ乗り物の位置づけに大きく影響を与えるのではないかなと。

特にドローン随伴の戦闘小隊全員が大小様々な対戦車兵器を持って哨戒任務に就いている光景はめまいがするというか、乗り物目線で見るとどう考えてもムリゲーです。中には射程 1,000mを超える撃ちっぱなしミサイルも混ざってて、そりゃあ遠く離れた場所から野砲で潰していきたくなる気持ちもわからないでもない。まさか今の時代にハイテク歩兵相手に白黒映像で見るような連装ロケット砲(無誘導)の斉射を観ることになろうとは思ってもみませんでした。

先日、米軍のMBTの次世代適応モデルが試案として公開されていましたが、ドローンとの連携や自律化にも対応するアプローチを採用していました。そういえば某国の次期主力戦闘機に盛り込みたい要素にドローン母機というのがあったようにも思いますので、乗り物へのドローン連携/随伴思想はほぼ確定路線と言ってもいいでしょう。

実はGRシリーズはGRFSにて中型自律随伴機が GHOST 側にも登場するコンセプトがあったのですが、当時はまだ戦闘ドローンに対する抵抗感というかそれが醸す過剰な SF 臭がキツ過ぎて発売前の公式フォーラムがプチ炎上する騒ぎがあって見送られました。

しかし、いよいよ時代が追い付いてきたわけで次のGRではある程度自走もできるけど高速で移動する場合は車輛で牽引するような中型(というか自分で車の後部やヘリの底面にフックしてぶら下がってくる感じの)随伴機が登場するかもしれません。随伴機には多数のドローン子機や対戦車誘導弾などを積むことも可能になり、前述の次世代戦闘車両に盛り込もうとしている思想を先取りする可能性もあるかも。こっそり砲迫レーダー付けとけばゲーム内で敵からの「砲撃」要素も回避可能な程度で組み込めますし。

1分27秒から一瞬 GHOST 側随伴機が。今見ても肩からミサイル出るのはやり過ぎに見えますが、それ以外はわりとすんなりと。

最後に戦闘スケールの見直し。

侵攻を受けてここ十数年の流行だった非対称戦から「同程度の軍事力を持つ組織戦」に移行する可能性も。たぶんここが一番の勘所というか、Ubisoft にとって重荷となる部分でしょう。

今の Ubisoft は実在する国や組織を連想させるような「敵」を設定できないヘタレ企業になってますので、新たに地球に住む生き物で無国籍の集まりの「いかにも悪そうな奴ら」をデザインしないといけないわけですが、この集合を「同程度の軍事力を持つ組織」にまでもっていくのが恐ろしく大変な作業でして、しかも困ったことに GHOST シリーズは作品を連ねることで年表を書けるぐらいに背景世界が出来始めてますので、突然ひょっこり国家でも何でもない「同程度の軍事力を持つ組織」が現れると本当にびっくりするわけです。

Ubisoft は使い勝手のよいヴィラン的な「悪の(巨大軍事)組織」を創造したくて仕方ないんでしょうが、そんなの他のシリーズでやれよと眼窩に妖しい光を宿す原理主義者が「uah.. ..ge..geopo..litiiics..」とかうめき声をあげながらフォーラムを徘徊してますのでどうなることやら。GR シリーズ本筋に謎のヴィラン連合が出るようになったらもうこのブログも閉じてもいいような気も。

一部のゲームメディアによるとすでに次のGRシリーズが動き始めているそうですが、100人 PvP のフロントライン(開発延期になったまま消息不明にw)のシステム再利用からのスタートになる場合はあれの残滓といいますかコンセプトの残り香を嗅がされることになるかもしれないので、ちょっとだけ覚悟しといたほうがいいかもしれませんね。

まぁ、こんな感じで今年もよろしくお願いいたします。

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2022-01-06CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2022年、あけましておめでとうございます。 昨年は五輪とコロナで訳わかんないまま「あっ」という間でしたので、今年は少し落ち着いた感じのぬるめで過ごしたいものです。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、総評としてGRR6の両ライン共にもうどう突っ込んでよいやらという香ばしい一年だったと思います。

昨年はR6/GR共に新作に動きのあった年なんですが。この新作がどうにもよろしくない。よろしくない ―― というのは Tom Clancy を冠していなければ普通に面白そうなゲームになっていたと思われますが、よりによって、本当によりによって一番食い合わせの悪そうな Tom Clancy 系 IP と掛け合わせてしまうという愚策失策がどうにも救いようがない辺りを指しています。で、そんな中あちらこちらで囁かれているのが……

Ubisoft は Tom Clancy 系 IP を持て余している ―― これは近年 SNS や公式フォーラムで(たまに変化球で経済誌系のサイトとかで)見かける話題でして、人によりスタート地点こそ異なるものの最後は「他の外部スタジオ・企業にIPを売った(または任せた)方がいい」というゴールに至る意見が大勢となっています。

個人的に IP 持て余し論のスタート地点は「Ubisoft の立ち位置的に軍事スリラーはもう無理だろう」ってあたりかなぁと。

ここからは邪推 ――

Ubisoft はその顔色を窺わないといけない「親方」がたくさんいまして、例えば各地に分散させた開発スタジオも雇用を生んでいるとはいえ地元で税制優遇等の恩恵をあれこれ受けている構造上そこの行政府を無視できませんし、フランス政府からもゲームエンジンの開発やらなにやらでお金が流れ込んでますから逆らえない。フランス政府って自動車とか自国の主要産業と捉えた部分にはグイグイ干渉してくる印象なんですよね。

で、その顔色窺わないといけない親方リストの中には中国もあるんですね。Ubisoft は先の Vivendi との株式の敵対的買収を巡る防衛戦で株式の買戻しを Tencent という中国資本に頼ってしまった経緯がありまして。議決権やらなにやら制限を設けているものの中国資本が「顔色をうかがうべき親方リスト」に名前を連ねる結果となりました。

Tencent とのやりとりは防衛戦の後始末と同時に中国市場へのアクセス権を得るという一見すると妙手に思えますが、裏を返せば Tencent とその後ろで操っている中国政府の気に入らないことをすると中国巨大市場へのアクセス権を失うという、議決権うんぬん以上の影響力を持ってしまったのではないかと想像してみるわけです。

で、現在の世界情勢にあってフランス政府やら中国政府の機嫌を損ねない軍事スリラー設定って可能でしょうか? いやこれ、かなりの難問ですよ?

今、世界ではクリミア半島と米中対立が大きな問題となっていますが、このどちらにも仏・中の存在が深く関係しているわけです。特に激化する米中対立にあって対中包囲網に係わることや一帯一路に係わること、ましてや特定地域が独立宣言するようなシナリオは親方的に絶対に通ることはありません。RAINBOW はともかく、アメリカ一国の事情で独自にドンパチおっぱじめる事のできる秘匿特殊部隊 GHOST があろうことか現アメリカ最大の課題に参戦できないわけです。

個人的にはアフリカはマリ共和国周辺が熱いんですが、ここもフランス特有の事情で弄りにくい。旧宗主国としてフランスは今もアフリカに軍を常設駐屯させていて、例えば「女学校を襲撃して女生徒を大量に攫っている」某宗教的武装組織と結構な数で殺り合っているはずなんですが、この辺を下手にゲーム企業如きがつつくと半年後に冗談抜きで Ubisoft の本社ビルに危険物を積んだトラックが突っ込んで来る可能性があるためこれも難しい。

事程左様に Ubisoft は世界情勢を映す物語の「敵」を設定できないゲーム企業となっているわけです。できるのは人間相手ではもう身をもち崩した米国人ぐらいしか脅威設定できないという何とも皮肉な事態に。GHOST も RAINBOW も気が付くとヤケクソになってるアメリカ人とばかり戦ってる印象なんですよね。これじゃあ軍事スリラーは無理なんじゃないかなぁ。Tom Clancy という冠ととびきり相性の悪い立ち位置にいるのが Ubisoft なんですよね。

昨年の後半ぐらいから、中国政府の国内ゲーム産業への締め付けが急激に厳しくなって中小は焼け野原に没し大企業は海外へ逃亡を試みているという類のニュースで界隈が盛り上がってますが、Tencent なんかもそのあおりをモロにくらってるそうなんですが果たして Ubisoft との関係はどうなるんでしょうねぇ。今年何か動きはあるんでしょうか。2022年はこの辺を注目したいですね。

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