腹違いの王子はいずれ王国の毒となるか、それとも……

DATE: 2025-03-31CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

Ubisoft がテンセントの出資を受けて特定 IP 運用に特化した新子会社の設立をするってんでいろんなところで盛り上がっているようです。日本国内は某弥助関連で憤懣やるかたない層の再集結地点 Rally-Point として扱われているようでしてブッ刺された旗のもとに四方から集まってくるコメントを読んでおりますと文章間から溢れ出るそのエネルギーの粘性に深い感銘を受けるわけです。

少し残念なのは集まってくる輩のほとんどが UBI などと書いているわけですが憎いあンちくしょうの名前ぐらい正確に書けないのかと。儀式として恨みやら呪いやら叩きつけるからには正しく社名を記述しないと術が完成しないだろうにと。

今もあるかどうか知りませんが一時期地方に株式会社 UBI というゲーム開発とは無縁の会社があったように思いますが誤爆されてませんように、どうぞご安全にと。

ちなみに文学・歌謡・芸能的に「憎いあンちくしょう」というのは表記上は省略されておりますが多くの場合「(でも狂おしいほど好き)」的な意味を内包しておりまして石原裕次郎主演の映画ともなりますと英語表記が「I HATE BUT LOVE」とかいうド直球な表記になっておりましてコンテンツ輸出に関してもうちょっとどうにかならないものかとむせび泣くのであります。

で、そのみんな大好き Ubisoft が今回出したドキュメントの要旨は日本語ニュース記事を読んで大筋は把握できたのですが細かいニュアンスが知りたくて原文の方をそれとなーく読むふりしてみたんですが……うん、いやまぁ、この方面全然詳しくないんですが……ふーむ……多くの Ubisoft ラバーが思い描くような薄い本展開(恥ずかしい格好で一枚ずつ IP が剥がされていく様を撮影されるような流れ)にはならないような気も。ような3連発ドヤァ。

前半の夢と希望でキラキラしてるセクションは正直何言ってんのかよく判んないんですっ飛ばすとして、後半の具体的な締結内容といいますか新子会社の詳細部分を眺めておりますと “After closing of the transaction, the new subsidiary would remain exclusively controlled and consolidated by Ubisoft.” とか書いてあって定款にどう書かれるのか知りませんが exclusively を超絶拡大解釈すれば「(取引完了後も)新子会社は Ubisoft のモノ。天と地がひっくり返ってもこのルールは絶対。エンガチョ。」という風に読めなくもないんですがどうなんでしょう。

こういう英文は “a condition precedent” とか解釈間違えると変な意味になりそうな用語があってあまり触れたくないんですけど、もう少し読み進めますと Ubisoft が過半数を保持する限りテンセント側の 5年間の株式売却の禁止とテンセント側のタグアロング権と Ubisoft 側のドラッグアロング権が明示されておりましてこのあたりを読んでますと「5年の間、テンセントが夜逃げするのは絶対に許さないが、Ubisoft が逃げ出すときはテンセントの持ち分も全部処分しろよ。絶対だからな。さて、5年後どうなってるかな……フヒヒ」的な妄想も出来なくはないんですがどうなんでしょうね。

Ubisoft 側の “right of first refusal” と “drag-along right” の明記があまりに強力すぎてしかもテンセント側の有利に逃げ出す権利を 5年間封じてますので「5年かけて Ubisoft がテンセントの金だけ毟り取って使い捨てにする」契約内容に読めるんですが、うーん……とにかく何重にも防御策が張り巡らされた一方的な感じに。

というかそもそもしょっぱなに “Tencent would invest in the new subsidiary which is headquartered in France and 100% owned by Ubisoft immediately prior to the transaction.” と書いてありまして、フランス国内の法の支配下にあることを高らかに謳いあげる絶望的な一文が付いてますので、Ubisoft ラバーが思い描くような薄い本展開にはならない予感がします。

戦力再編のために集結中のラバーな皆さんはあの国の支配階級テクノクラート衆を舐めてかかり過ぎです。「一度手に入れたものは雷が鳴っても絶対に手放さない」雰囲気の人たちが政治・経済を動かしてますので余程のことがない限り IP を引っこ抜かれるとかないと思います(その前に政府が介入する)。

どんなに批判されても未だに旧植民地で共通通貨「CFAフラン」とかやってる人達が「金のなる木」を手放すかなぁと

個人的にはフランス政府が Ubisoft の子会社といえど外資に支配や身売りを許可するとは思えない(フランスでは一定規模/業種の企業を外国資本が買収する際、経済大臣の承認が必要になる)ので無理というか、そもそも前回も外国資本が上場企業の株式の 10% を超えて取得するとフランス政府の強烈な監視下に入るので 9.99%で踏みとどまるというビビりな結果がすべてを物語っていると思います。

さらに私個人の勝手な解釈ですが、「トム・クランシーという一時期のネオコン的アメリカを映し出す SSR 級の冠をゲームで」をフランスの絶対的支配層テクノクラート衆が簡単に手放すとは思えないんですよねぇ。地政学の有識者が仏米の関係について諸説開陳してますが読んでますとその多くで「アメリカがフランスを無視して物事を動かそうとするのを極端に嫌う」んだそうで、いわゆる「(安保理拒否権持ち)」という解釈になるんでしょうか。その仏支配層が「アメリカから剥ぎ取ったトロフィー」を中華系が持ち去ろうとするのを指を咥えて眺めてる? いやいやww

フランスの定款がどのくらいの拘束力があるのか知らないんであれですが、両社が策を弄してものすごいアクロバットをやれば IP 剥がしも出来なくはないかなという気がしますがどちらにしてもラスボスは「あそこの政府」になると思うので、うーん。まずは新子会社の定款と 2年後の Ubisoft 側の株式保持義務?が外れてどう動くかでしょうか。

定款に「運用 IP と新子会社が不可分のように書かれる」と IP 剥がしはできなくなって「子会社ごと手に入れようとする」とフランス政府の認可が必要になってくるという多段の防御術を仕込んでるような気がしますが……。

それよりも今回の件で個人的に興味をそそられたのは抽出される IP の方でして。R6Sが入るのは予想してましたが、GRはどうなるかなと。テンセントは米国防総省の「中国軍と関連のある企業リスト」に名を連ねておりまして、そのいわば敵性資本と合弁で回す弾として「ベースが現実のアメリカを強く意識させる作品」はどうするんだろうと思ってましたが、やはり警戒して候補から外してきたなと。

というのも、今、アメリカが「予想をはるかに上回るびっくり政権」になってますのでアメリカの特殊部隊を描くGRシリーズを下手に扱うとちょっとあり得ないレベルの難癖をつけられる可能性が出てきましたので Division シリーズと合わせて対象から外されたんだろうなと。特に政権の中枢にゲームジャンキーが一人紛れ込んでてこの人物が張り巡らす網にかかると凄く面倒なことになると思います。現に某弥助案件で一当てあったようですし。

今の政権の何が凄いってアメリカ国民が恍惚の表情で図書館の本を焼き始めるのも秒読み段階といわれてて何一つ笑えない状況に。

一方でもしかすると某ゲームジャンキーが凄い金額でRSEとセットでClancy系 IP の買い取りを打診したりする超展開もあり得ますが、さて……

今回の新子会社の件はこれまで同様に「一方的に金を吸われて終わり」という予感がするんですが、多くのUbisoft ラバーが恋い焦がれるような薄い本展開はあるのでしょうか。それはそれで私も好物なので歓迎しますが果たしてどうなるのでしょう。続報が楽しみです。イー〇ン参戦しないかなぁ。

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