時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2024-01-27CATEGORY:R6/GR seriesTAG:,

(0000Z)2024年、あけまして。年明け元日の災害でどんよりする感じですが、ちょっとずつでも進んでいきましょうという感じで。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、昨年は既存タイトルではほとんど動きありませんでしたね。一昨年 2022年の噂でGRシリーズの続編に取り掛かっているという報せがありましたが続報がないのでなんとも。ここ最近の Ubisoft は難産化するタイトルが何作か続いてスケジュールがだらだらズルズル後退を繰り返す印象でして。醜聞だのコロナだのアホな侵攻だので大変なんだろうなと。

侵攻関連はいろいろ書きかけたんですが、どれも後半に「現代戦の思想/思考はそこへ至る途中の段階を順に理解しないと身につかない。そして現代戦に合わせて ―― または少し未来を見据えてデザインされた兵器はその機能を十分に発揮できない」的な文章と「想定した戦闘モデルはその一部で機能不全を起こすと瓦解する」的な文章が混ざってきてイマイチな流れになるんで没に。

F-16 関連も幾つか書きかけたんですけど、なんといいましょうか、うまく機能するといいなぁと。F-16 も飛んでる間は西側想定モデルが有利目に出るかもしれませんが、地上に降りて巣を特定された瞬間から東側モデルの飽和攻撃にさらされるのでどうなるかなぁと。空港近隣の情報提供者によって「今、空に上がっている航空機リストと空港内にいる航空機リスト」をそれなりの精度で作られると狩られるのは時間の問題のような気も。特に借り物の航空機の場合、機体の一部をちょっと壊すだけで十分なんですよねぇ。どうかなぁ。

戦争に限らず「戦う」と口にするのは簡単だけど「勝つ」ってのはホント難易度たけぇなぁと。そんな感じで今年もよろしくお願いします。

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2023-01-01CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2023年、あけましておめでとうございます。ここ数年コロナ関連でウンザリしてるところに戦争だの要人襲撃だのと昨年はびっくりするような年でしたので今年こそは、と言いたいところですが戦争はどうにも長引きそうですし。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、R6Eは触れようにも数値のあるソースがほとんどなくて凄く書きにくかったり。数値上で Game Pass との分離ができないんですよね。英国の月ごとセールスランキングに発売直後に一度だけ 4位で載った後さっぱり途絶えましたので多分そういう感じなんだと思います。ヘレフォードあたりで Eddie Price 最先任上級曹長泣いてそう。

てなわけで昨年はやはり「侵攻」が一番の(書きやすい)トピックかと思いますので、これにGRを絡めて。

昨年の侵攻がこれからのゲーム界隈にもたらすであろうインパクトは本当に大きくて、この組織/兵器はこのぐらいの性能/位置づけだろうというゲームデザイナーの認識が大崩壊したわけです。と言っても、それはあくまでゲームデザイナーの「認識」や遊ぶ側の「願望」との均衡点が現実とかけ離れていたことが明白になっただけなんですが、これからはもうこの認識のままでは出すわけにはいかない。情報を更新しないと出す前から陳腐化してしまうことが確定してしまうというとんでもない流れになってしまったわけです。冷戦の決着がようやくゲーム界隈にも行き渡った瞬間、という表現をしてもいいかもしれません。

で、その流れをモロに食らうのが「近未来の歩兵戦闘」をテーマの一つとして持つ我らがGRシリーズなんですね。

GRシリーズは作品ごとに「その当時の次世代戦闘思想/技術」が盛り込まれて「GHOST 凄い」を醸すのが重要な要素となっています。ですから現実で起きた軍事技術/思想面の衝撃を正しく取り込んでいかないと公式フォーラムは発売前から変な空気になること間違いなしです。だってGR原理主義者が大暴れしますから。そこだー、いけー、踏んじまえー、踵でー、かかとでー。そんなわけで侵攻を受けて扱いの変わりそうな要素をいくつか見ていきましょう。

まずはドローン。それも敵方が使うそれ。ドローンの脅威自体は侵攻前の他紛争で判明していました。注目すべきは新興国のドローン技術が市場のニーズを性能的にも価格的にもがっちり押さえているという点でして、これはつまりこれからの反米的な武装勢力は高い確率でドローンを投入してくる時代になったということでしょう。

ドローン自体はGRシリーズではすっかりおなじみの装備となってますが、これまでの作品では敵はドローンを持っていないか持っていても割と控えめな位置づけでした。控え目というのは、例えば直近のGRBでは敵もドローンを運用しているわけですが、これに対して公式フォーラムでは「ドローンうぜぇ、なくせや」の大合唱が起きていた時期がありまして。

ゲーム内でのドローンは主に偵察用途でしたが、現実はあっという間にゲームを超えて攻撃的な運用が始まっており、ぼんやりつっ立っているとどこからか聞こえる敵味方不明のドローン飛翔音とともに遥か頭上から特攻してきたりグレネードが降ってくるという「現実の戦場のクソゲー化」があまねく知れ渡ってしまった。

でもだからといってドローンを控え目にするとリアリティがないと酷評され、少し強めるとクソゲーと罵られる ―― この「遊ぶ側の認識と現実との大きなズレをゲームデザインでどうやって埋めるのか」という難題を Ubisoft は背負うことになったわけです。米軍の「自軍兵士にクソゲーを強いないよう」戦闘理論を研究している機関ですら模索の段階にあることを、ゲーム会社が取り組む羽目になったのですから相当高いハードルとなるのではないでしょうか。

次に戦闘車両や航空機の位置づけ。

昨年の侵攻では開戦初っ端の重大な戦略ミスで過剰に地上車輛がボコられる/鹵獲されまくる事態となりましたが、その辺の事情を差し引いても地上車輛は今のままでは戦闘理論的にも選択肢が細くなることがほぼほぼ確定したように思われまして(戦車不要論とはまた別ベクトル的。攻勢を「重く」するためには絶対に必要)。特に航空優勢をとれない戦場が第一次世界大戦レベルでの塹壕戦にまで後退するとは思ってもみなかったわけです。

もちろんこれは長距離砲撃の異常に高い命中率をたたき出すハイテク砲弾の登場や戦闘小隊のほぼ全員がなにがしかの対戦車兵器を携行しているという異常事態等々、複数の要素があってのことですがこれはゲームの戦場の設定 ―― とりわけ乗り物の位置づけに大きく影響を与えるのではないかなと。

特にドローン随伴の戦闘小隊全員が大小様々な対戦車兵器を持って哨戒任務に就いている光景はめまいがするというか、乗り物目線で見るとどう考えてもムリゲーです。中には射程 1,000mを超える撃ちっぱなしミサイルも混ざってて、そりゃあ遠く離れた場所から野砲で潰していきたくなる気持ちもわからないでもない。まさか今の時代にハイテク歩兵相手に白黒映像で見るような連装ロケット砲(無誘導)の斉射を観ることになろうとは思ってもみませんでした。

先日、米軍のMBTの次世代適応モデルが試案として公開されていましたが、ドローンとの連携や自律化にも対応するアプローチを採用していました。そういえば某国の次期主力戦闘機に盛り込みたい要素にドローン母機というのがあったようにも思いますので、乗り物へのドローン連携/随伴思想はほぼ確定路線と言ってもいいでしょう。

実はGRシリーズはGRFSにて中型自律随伴機が GHOST 側にも登場するコンセプトがあったのですが、当時はまだ戦闘ドローンに対する抵抗感というかそれが醸す過剰な SF 臭がキツ過ぎて発売前の公式フォーラムがプチ炎上する騒ぎがあって見送られました。

しかし、いよいよ時代が追い付いてきたわけで次のGRではある程度自走もできるけど高速で移動する場合は車輛で牽引するような中型(というか自分で車の後部やヘリの底面にフックしてぶら下がってくる感じの)随伴機が登場するかもしれません。随伴機には多数のドローン子機や対戦車誘導弾などを積むことも可能になり、前述の次世代戦闘車両に盛り込もうとしている思想を先取りする可能性もあるかも。こっそり砲迫レーダー付けとけばゲーム内で敵からの「砲撃」要素も回避可能な程度で組み込めますし。

1分27秒から一瞬 GHOST 側随伴機が。今見ても肩からミサイル出るのはやり過ぎに見えますが、それ以外はわりとすんなりと。

最後に戦闘スケールの見直し。

侵攻を受けてここ十数年の流行だった非対称戦から「同程度の軍事力を持つ組織戦」に移行する可能性も。たぶんここが一番の勘所というか、Ubisoft にとって重荷となる部分でしょう。

今の Ubisoft は実在する国や組織を連想させるような「敵」を設定できないヘタレ企業になってますので、新たに地球に住む生き物で無国籍の集まりの「いかにも悪そうな奴ら」をデザインしないといけないわけですが、この集合を「同程度の軍事力を持つ組織」にまでもっていくのが恐ろしく大変な作業でして、しかも困ったことに GHOST シリーズは作品を連ねることで年表を書けるぐらいに背景世界が出来始めてますので、突然ひょっこり国家でも何でもない「同程度の軍事力を持つ組織」が現れると本当にびっくりするわけです。

Ubisoft は使い勝手のよいヴィラン的な「悪の(巨大軍事)組織」を創造したくて仕方ないんでしょうが、そんなの他のシリーズでやれよと眼窩に妖しい光を宿す原理主義者が「uah.. ..ge..geopo..litiiics..」とかうめき声をあげながらフォーラムを徘徊してますのでどうなることやら。GR シリーズ本筋に謎のヴィラン連合が出るようになったらもうこのブログも閉じてもいいような気も。

一部のゲームメディアによるとすでに次のGRシリーズが動き始めているそうですが、100人 PvP のフロントライン(開発延期になったまま消息不明にw)のシステム再利用からのスタートになる場合はあれの残滓といいますかコンセプトの残り香を嗅がされることになるかもしれないので、ちょっとだけ覚悟しといたほうがいいかもしれませんね。

まぁ、こんな感じで今年もよろしくお願いいたします。

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なんだかあちらこちらで荒れ模様に

DATE: 2022-08-08CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

中国系資本の Tencent が Ubisoft の保有株の拡大を目指しているという報道が出まして株価も大きく反応する事態に。

今年最初の投稿で「2022年は両者の関係にも注目」的な事を書いたんですが、やはり来たかと。現状いろんな憶測が飛び交ってる状態なんでアレなんですが、一部の報道では「単独」筆頭株主だの完全掌握だのという不穏な文字も躍っておりまして、推定される買取ラインもそれっぽい数字が出てたりしてどうなるんでしょうねぇと。

Ubisoft ぐらいの規模になると「外資からの攻勢」に対して仏政府が凄い形相で睨んでそうな気がしないでもないんですが、Tencent もその辺は承知でしょうから……うーん、もしかすると「壮大な釣り」というか評価額上げるだけ上げて仏国内の騎士様に保有株売っぱらう落ちとかも或いは。前回の Vivendi との防衛戦(こっちは仏企業同士の争いでしたが)もたしか釣り上げるだけ釣り上げて売っぱらってましたし。

ただ中国国内で身動き取れなくなっている Tencent は海外に太くて安定した足場が欲しくて死に物狂いで突っ込んでくる可能性も捨てきれないのでなんとも。この株絡みのニュース直前に Ubisoft から不倫騒動その他で解雇された Assassin’s Creed の元ディレクターが Tencent 傘下に雇われてたりするらしいんですが、そんなネタを聞いちゃうとついつい意趣返しする任侠ものとか時代劇みたいな流れになったりしないかしらと心躍るものが(ぉぃ

R6/GR原理主義勢としましては訳のわからない侵食受ける前に是非ともRSEに Tom Clancy 系 IP を持たせた上で「さ、おいき。うまくお逃げよ」とか言って Ubisoft から切り離してくれないかなぁと。何度も振り返りながら暗闇へと消えていくRSEを見送ると「さぁ、はじめようか」とかいってフランベルジュを支えに甲冑をまとった Ubisoft が立ち上がる光景が目に浮かぶようです(ナイナイ

まぁ、この報道がどこまでホントかわからないんですが、いずれは起こるであろう筋なだけに、うーん、どうなるんでしょうねぇと。

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GAME PASS が全てを覆い隠し一面銀世界に

DATE: 2022-01-25CATEGORY:RAINBOW SIX seriesTAG:

1月20日、RAINBOW SIX EXTRACTION/R6Eが発売となりまして情報が氾濫しております。

R6Eは Microsoft 陣営の仕掛ける GAME PASS に乗っかってのブーストスタートとなったわけですが、その影響でしょう、ネットは「お試し勢」のすんごくぼんやりしたカジュアルな発信で溢れかえってましてどれが核心を突いているのかさっぱり読み取れない状態に。R6原理主義者の活動を薄めるのに GAME PASS は絶大な効果あるなと感心している次第です。

基本的にゲームのレビューは限られたお小遣いから 893価格で購入してしまった者達の真剣かつ心の奥底からの恨み節こそが核心を突いていると思ってますので、とりあえず GAME PASS からの一見さんが落ち着くまで情報収集はどうしようかなぁと。

で、こういう時こそ配信だよなと思い幾つか視聴したのですが……うーーん……R6Eは配信用の素材としてはかなり高い構成センスを要求するような気が。というのも普通にゲームプレイを垂れ流すと何もワカラナイとてもツマラナイというか、酷いのになると配信者が発する獣の咆哮を数時間聞かされる動画に。

以前、配信素材になりやすいようにゲームデザインを再構成しているのではみたいなことを投稿しましたが、この状況を観ていると何かこう配信用の別視点を設ける的なツール類でも出さないとすぐに細りそうな。

観た中で一番分かり易かったものを。いやぁ、配信て解説と感想に加えて程よくドジ踏んだりと「視聴者をくすぐる」構成センスが大切なんだなぁと。

で、観てて判ったのですが、発売前の Ubisoft Japan の配信では素直に解釈すると(先発同ジャンル同テーマのゲームと比べて)Run and Gun 寄りのゲームなんだなと思っていたんですが、意外とステルス重視のゲーム性だったようです。というかあの公式の配信は文脈というか構成にちょっと失敗してるような気が。「静」の部分切り落としちゃダメよー

海外メディアのレビューも一通り出てますが、やはりエッジの利きが悪い「丸い」作りがスコアを下方側に引っぱっているようです。

発売直後の公式フォーラムやらネットでは「難しいんじゃあコラァ」という脳筋勢の殴り書きに結構な勢いがありましたがすぐに落ち着いたようで。問題はその「落ち着いた人たち」は神妙に改心して今日もR6Eを探求し続けているのか、それともゲームをアンインストして他のゲームへ移ってしまったのか知り様がない辺りでして、果たしてR6Eが成功しているのかどうかは GAME PASS から外れてみないと定まらないあたりがとてもワクワクします。

ということで、宇(略)と楽しく走り回れる(のは序盤だけで中盤から)おひとり様には少々厳しい内容だけどうまくやれば知り合いを巻き込めるかもしれない売り方の(でも配信やるなら少し工夫が必要な) RAINBOW SIX EXTRACTION は通常盤が 6,600円(税込み)で発売中です。ところで GAME PASS の大渦で判りにくいんですが Play Station 勢は息してるんでしょうか。春の雪解けが待ち遠しいですね(ニッコリ

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時刻を合わせよう……3、2、1、

DATE: 2022-01-06CATEGORY:R6/GR seriesTAG:

(0000Z)2022年、あけましておめでとうございます。 昨年は五輪とコロナで訳わかんないまま「あっ」という間でしたので、今年は少し落ち着いた感じのぬるめで過ごしたいものです。

この投稿は毎年恒例の原理主義視点で昨年一年のR6/GR界隈を振り返るシリーズなんですが、総評としてGRR6の両ライン共にもうどう突っ込んでよいやらという香ばしい一年だったと思います。

昨年はR6/GR共に新作に動きのあった年なんですが。この新作がどうにもよろしくない。よろしくない ―― というのは Tom Clancy を冠していなければ普通に面白そうなゲームになっていたと思われますが、よりによって、本当によりによって一番食い合わせの悪そうな Tom Clancy 系 IP と掛け合わせてしまうという愚策失策がどうにも救いようがない辺りを指しています。で、そんな中あちらこちらで囁かれているのが……

Ubisoft は Tom Clancy 系 IP を持て余している ―― これは近年 SNS や公式フォーラムで(たまに変化球で経済誌系のサイトとかで)見かける話題でして、人によりスタート地点こそ異なるものの最後は「他の外部スタジオ・企業にIPを売った(または任せた)方がいい」というゴールに至る意見が大勢となっています。

個人的に IP 持て余し論のスタート地点は「Ubisoft の立ち位置的に軍事スリラーはもう無理だろう」ってあたりかなぁと。

ここからは邪推 ――

Ubisoft はその顔色を窺わないといけない「親方」がたくさんいまして、例えば各地に分散させた開発スタジオも雇用を生んでいるとはいえ地元で税制優遇等の恩恵をあれこれ受けている構造上そこの行政府を無視できませんし、フランス政府からもゲームエンジンの開発やらなにやらでお金が流れ込んでますから逆らえない。フランス政府って自動車とか自国の主要産業と捉えた部分にはグイグイ干渉してくる印象なんですよね。

で、その顔色窺わないといけない親方リストの中には中国もあるんですね。Ubisoft は先の Vivendi との株式の敵対的買収を巡る防衛戦で株式の買戻しを Tencent という中国資本に頼ってしまった経緯がありまして。議決権やらなにやら制限を設けているものの中国資本が「顔色をうかがうべき親方リスト」に名前を連ねる結果となりました。

Tencent とのやりとりは防衛戦の後始末と同時に中国市場へのアクセス権を得るという一見すると妙手に思えますが、裏を返せば Tencent とその後ろで操っている中国政府の気に入らないことをすると中国巨大市場へのアクセス権を失うという、議決権うんぬん以上の影響力を持ってしまったのではないかと想像してみるわけです。

で、現在の世界情勢にあってフランス政府やら中国政府の機嫌を損ねない軍事スリラー設定って可能でしょうか? いやこれ、かなりの難問ですよ?

今、世界ではクリミア半島と米中対立が大きな問題となっていますが、このどちらにも仏・中の存在が深く関係しているわけです。特に激化する米中対立にあって対中包囲網に係わることや一帯一路に係わること、ましてや特定地域が独立宣言するようなシナリオは親方的に絶対に通ることはありません。RAINBOW はともかく、アメリカ一国の事情で独自にドンパチおっぱじめる事のできる秘匿特殊部隊 GHOST があろうことか現アメリカ最大の課題に参戦できないわけです。

個人的にはアフリカはマリ共和国周辺が熱いんですが、ここもフランス特有の事情で弄りにくい。旧宗主国としてフランスは今もアフリカに軍を常設駐屯させていて、例えば「女学校を襲撃して女生徒を大量に攫っている」某宗教的武装組織と結構な数で殺り合っているはずなんですが、この辺を下手にゲーム企業如きがつつくと半年後に冗談抜きで Ubisoft の本社ビルに危険物を積んだトラックが突っ込んで来る可能性があるためこれも難しい。

事程左様に Ubisoft は世界情勢を映す物語の「敵」を設定できないゲーム企業となっているわけです。できるのは人間相手ではもう身をもち崩した米国人ぐらいしか脅威設定できないという何とも皮肉な事態に。GHOST も RAINBOW も気が付くとヤケクソになってるアメリカ人とばかり戦ってる印象なんですよね。これじゃあ軍事スリラーは無理なんじゃないかなぁ。Tom Clancy という冠ととびきり相性の悪い立ち位置にいるのが Ubisoft なんですよね。

昨年の後半ぐらいから、中国政府の国内ゲーム産業への締め付けが急激に厳しくなって中小は焼け野原に没し大企業は海外へ逃亡を試みているという類のニュースで界隈が盛り上がってますが、Tencent なんかもそのあおりをモロにくらってるそうなんですが果たして Ubisoft との関係はどうなるんでしょうねぇ。今年何か動きはあるんでしょうか。2022年はこの辺を注目したいですね。

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