売れるものなら何だって売るよ、なんでもだ
この投稿の翌28日、サービス開始からわずか 4 日目で Steam は Skyrim の MOD 販売を停止したようで。Steam、恐ろしい子!
先日、Steam が Skyrim のMOD販売に踏み切ったわけですが、この動きに Skyrim のみならず各種MODコミュニティに激震が走っておりましてとても興味深いことになっているらしいのです。
ネット上では案の定様々な不満と謎の怒りが大噴出していたりするのですが、個人的には次の点がどうなるか気になっております。
- これまで高品質な MOD を無償で配布してきた各 MODDER が有料化に対してどういうスタンスを取るのか。
- MOD 同士の相性の悪さが強く存在する Skyrim において、販売された MOD が動かなかった時の責任や義務はどうなるのか?
- Skyrim とその MODDING ツール Creation Kit には有償化のための裏付けをする仕組みがなく、MOD の盗作を誰がどうやって判定するのか?
これはR6/GRの頃からの疑問というか MOD をお金の流れに取り込むことでより豊穣を味わう方法の根幹に関わる部分だよなと思うわけです。
毎回書いてますが、MOD の切ない部分は MOD コミュニティがどんなに盛り上がっても開発販売会社にはほとんどおぜぜが落ちてこないあたりな訳ですが、今回、Steam が直球ど真ん中で金を取りにきたのはなんといいましょうか「他の企業には怖くて出来ないことをいきなりやらかす、そこに痺れる!憧れる!」状態といいましょうか、Ubi ですらきっと何度も考えはしたんだろうけどリスク高すぎてあきらめたに違いない部分をさらっとやってのけるその肝の据わり方に感動するわけです。
リスクという意味では特に 3. は他人のデータや部品を無断で取り込んで完全オリジナルですとかいって平気で売りに出すクソ野郎が間違いなく出てくるわけで、それらデータの個々の部品やスクリプトに到るまでの判定を誰がどうやるのか。Apple や Google ですらお手上げ状態のデータの元祖/本舗判定を Steam ができるとは到底思えないわけで、配信される MOD の質が急激に低下するのにさほど時間はかからないであろうことは私ごときにも容易に想像できてしまうわけです。
また、3. のクソ共の跋扈により無償であろうと有償であろうと公開された MOD が問答無用でパクられてストアに売りに出される事態に嫌気がさした MODDER が加速度的にコミュニティから離れていく事態なんかも予想できるわけで、Steam はともかく Bethesda がこの程度のことを予測できないはずは無いわけで何か策があるのかどうかも気になるところです。
過去に素人の私が MOD の有償化で供給側と製作販売会社がともにいい思いをする方法として考えた案に「個々の MOD を販売する」方式ではなく「MOD システム使用料的な何か」として薄く広く吸い上げ基金化して、半年なり一年なりの期間で統計をとって常時 Activate されている人気 MOD へ報奨として分配する方式が責任等を MODDER に振ることなくそれでいて会社側がテキトーに金額をひっこぬけるまぁまぁの方法なんじゃないかなってのがあったんです。Steam なら統計データとか取り放題だろうなとか思ってたんですが、今回のあまりの直球勝負に「クッ、ここにもフラーの戦いの原則が及んでいたか……ぐふっ」と膝つき吐血するのであります。