ノマドさん、アウロア群島での任務延長確定か

DATE: 2021-12-09CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:

今、ゲーム業界では NFT(Non-Fungible Token) といわれる技術を取り込んだサービスでもうひと山興せないものかとあちらこちらで模索が行われているんですが、遂に Ubisoft もその流れに飛び込むようでして、その実験場としてGRBが選ばれたようです。

NFTって何よと真顔で訊かれると本当に困ってしまうのですが、今のところ「デジタルデータに一意性を付与する」ぐらいの解釈で配点の六割ぐらい取れそうな気もします。たぶん模範解答は「一意性を付与し○○の価値を創造し渇きの回路を形成する」くらいまで踏み込んで書けば結構いい点とれそうなんですが、如何せん、その○○の部分をどう設定すればいいのかをゲーム業界が頭を捻ってる感じなんじゃないかなと。

NFT を巡る話は「一意性の証左」だの「環境への影響」だのの切り分けの面倒なネタが幾つか絡んで来るんであまり触れずにおくとして、面白いのはなぜ実験場にGRBが選ばれたのかというあたりじゃないかなと。

という事でここからはいつもの邪推 ――

GRBは発売当初 micro-transaction いわゆる「課金」要素で利益を出そうとする企図があちらこちらから臭い立っておりまして、forum 等でも大コケの一因として槍玉に挙がっていたわけです。

GRBはその後幾つかの改修計画を経て「着せ替え特殊部隊ごっこゲー」としてなんとかブランドが要求する最低ラインに達するわけですが、その過程で micro-transaction 路線を封じてしまったためそれまでの開発費用がほとんど回収できずに経営層も頭を抱えていたんじゃないかなと。そこへ NFT 開発チームが開発費用回収を餌に運用データ収集の場としてGRBを持ち出しちゃう流れはいかにもありそうな感じではないかと。

「一意性を付与するデータ」はみんなが欲しがりそうなデータでなくては効果が薄くなるわけで。 「着せ替え特殊部隊ごっこゲー」 のGRBならば、当然、衣装系のデータになると思われます。最新の特殊部隊系のコスメ事情はよく分からないんですが、ネット上では「装備部位の割り当て等から来る再現性の低さ」とか一部の流行装備がすっぽり抜けてるみたいな事も言われてるようなので、そのあたりを数を絞って出してくるのかなぁと。考えようによってはGRB更なる延命と着せ替え勢への朗報ともとれなくもない(要お布施)……のかな?

冒頭に挙げた動画にはかなりの不評コメントがついてるわけですが、Youtube の仕様変更への不満とが混ざっていて読んでて凄く面倒臭いことになってるんです。基本的に micro-transaction ですら糞味噌に言われているのにましてや NFT なぞという流れは予想の範囲内でやや退屈な流れかなと。

むしろ今回はGRBは踏み台にされたというか、ガンダムに例えるならグフとドムの間でコンセプトもコスパもすんごく微妙なイフ○ートを作ってしまって途方に暮れてるところを EX○M とかいうとんでもないドス黒いシステムの実験用に拾われてしまった不憫な子と言う感じがするようなしないような。

他所のチーム主導の集金システムとはいえそれを回すのはGRBチームでしょうから、出すアイテムの需要と供給量の匙加減を間違うと Ubisoft のチャレンジをまたもやGRBチームが吹っ飛ばしてしまうという結構ヤバい賭けに出てるような気もするんですがどうなるんでしょうねぇ。いいデータとれるといいですねぇ。

x

なんかもうテトリスでいいんじゃないかな

DATE: 2021-10-06CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:

新作 GHOST RECON FRONTLINE の発表がありました。まずは動画をご覧ください(日本語字幕選べます)。

いやぁ、凄い。

何が凄いって、前半で「シリーズに大切なものは何か」ということを暗にブレークポイントでの反省点を踏まえつつ神妙に神妙に過去作を振り返るわけですが、その後の新作お披露目でそれまでの流れを全否定してて腹抱えて笑い転げました。Youtube のチャットももう大荒れです。

新作はFPSな大規模 PvP らしくて、要請で空から巨大構造物がドッカンドッカン降ってきてて、ふーむ……そうか……これが Ubisoft の言う「シリーズの大切な部分」なのか……と。

新作お披露目までの「これはもしかして Wildlands 回帰の新作か!!!」と期待に沸くチャット欄の盛り上がりと、空からモノが降ってくる映像が流れた瞬間の落胆ぶり。もうこれが全てだと思います。

x

お風呂にするかご飯にするか、それとも……

DATE: 2020-07-30CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:,

おかえり! 先日のGRBのアップデートでついに AI Teammate が追加されたようです。GRWの悪ガキどもと比べると少々物足りないリアクション ―― 前回の投稿でいうところの「世界の設定」と「設定に合わせた表現」という一番手間とお金のかかる部分が丸々オミットされた感じ ―― らしいんですが、それでも孤独な島歩きに震えていたソロ勢からは大いに歓迎されているのでしょう、公式フォーラムはかなりの投稿量で盛り上がりを見せています。

フォーラムでは早速 AI Teammate に関するチクチクとした突っ込みと要望とで溢れているんですが、どの投稿も「これを機にGRB立て直しくるんじゃないかコレ!」という前向きな希望が見え隠れするあたり、まだ青いな君たちというかGRBがようやくスタートライン近くまでにじり寄ってきたのではないかと思うわけです。

同時に、フォーラムを眺めていて思うのは「発売当初のサバイバルな感じ」を求めている層と「GRWの頃の仲間とのぶらり作戦紀行な感じ」を求める層が混在していて、双方のリクエストが乱れ飛ぶフォーラムはなかなかに混沌としていて「途中でゲームの方針変わるとフォーラムってこうなるんだ……」っていう実に稀有な感じで眼福感に満ちています。

さて。AI Teammate 実装から二週間ぐらい経ってこれ書いてますが、大方の AI 評は出そろった感じでして「GRWほどではないが、いないよりは圧倒的に良い」というあたりで落ち着きそうです。このなんとも微妙な AI 評はおそらく「発表から実装までに掛かった時間」が大きな影響を与えていて、皆あまり口には出さないけど「あれだけ時間をかけてこの程度?」という心理が奥底で蠢いているんだと思います。

たぶん今回の AI 実装で求められていたのは「おかえり」ともう一つ何か、小さな驚きだったと思うわけです。そこで私が提案する「おかえり」とセットの何かは……

「あらあら、お友達もご一緒なの? まぁまぁ、こんなに大勢!」

ではなかろうかとwwwwww

GRWでは少数で潜入するという大前提がありましたからプレイヤーと AI の計4人というのは分かりますが、GRBは32名だったかの隊員を送り込んで滅茶苦茶にやられて生き残ったのはごく僅か……とおもいきや、まさかのエレホン「3密上等!あつまれゴースト祭」という「落ち」を全てのプレイヤーが目撃してしまった以上、人数に制限を設ける理由はないと思うわけです。もうサバイバル路線から離れたのなら AI Teammate マネージゲームとして 12人ぐらいの隊員引き連れて銃剣つけてドローンと殴り合いした方が楽しそうではありませんか。

AI に関して個人的にはGRWと同じシステムを流用しているであろう他のタイトルで AI Teammate による運転代行ルーチンとか出来てるんじゃないかな? どこかのスタジオで誰かその手のプログラム書いてそうじゃん? それを拝借して付け足しちゃおうぜ? とか期待していたのですがそういうのはなかったようで。

GRWではシカリオ達 AI の運転する車輛はターゲットの車輛に「並走」することができました(プレイヤー車輛の後ろについてから強引に左右に進路変更している感じで)。「並走」ができるという事は「回避」や「追い越し」ももうほぼ出来ていることになります(追い越しは「道なりに進む」状態から「ターゲットに近づいた」ら「並走機能を ON」にして「並んだらさらにインチキ加速しつつ並走機能 OFF」にして「道なりに進む」状態に戻る動作をまとめたもの)。

つまり、GRWの時点で AI Teammate による運転は「荒い動きでプレイヤーが酔ったりするのに目をつぶれば」出来てたんじゃないかなと。あとは AI が提案する運転コースと速度に微調整を加える機能を左アナログスティックあたりに設定すれば落とし込めそうなもんですが。この辺りはGRWの時点でチャレンジして欲しかったなと誠に残念に思うわけです。

今回の AI Teammate 実装で大方の公約項目はやり終えてあとはストーリーをどう決着するかってあたりだと思うんですが、そこから有料の DLC で少しでも回収を試みるかどうかってとこかと思いますが……うーん……DLC はアクティブなプレイヤー数を母数にしてあれこれ練るんでしょうから……どうかなぁ。GRWが驚くほど永く手入れされたのは Ubisoft が想定していた以上にアクティブなプレイヤー数が多かったからだと思うんです。そういう意味でGRBはどうかなぁ。どうだろうなぁ。

x

悪ガキ三匹をこさえるのに必要なモノ

DATE: 2020-05-15CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:,

GHOST RECON BREAKPOINT(以下GRB)に味方となるAITeammate の追加がぼんやりと示されてから随分と経ちますが未だ果たされていません。ネット上ではほとんどあきらめムードになっているんですが、そもそもAITeammate の追加ってそんなに大変なの? というお話。

聴いた話では既にゲーム内ではプレイヤーに随伴するNPCが登場しているという事なので内部的にはそういう機能のクラスメソッド(プログラム)が存在していることになります。実際に観察してみたわけではないので踏み込んでは言えませんが、何もしゃべらずただついて来て適当にぶっ放してくれる人型のドローンもどきならば……たぶんそう手間もかからず追加できそう。

でも、あの時フォーラムで求められたのは GHOST RECON WILDLANDS(以下GRW)で共に旅をした「饒舌な悪ガキども」と同レベルの体験なわけでして。この「饒舌」というのが結構、というかちょっと洒落にならないくらい高いハードルなのではないかと予測してみるわけです。

道中、訊ねてもいないのに何かについて語り始めるAIキャラ。語るからにはそれに関しての「設定」が要求されるわけです。土地や建物、風習などプレイヤーの目に映るもののほとんどに「過去」や「歴史」が要求されるのであります。また、人物の特徴づけ ―― いわゆるキャラ立ちだの相関図だのといった惹きつける設定もここで「堅固」に構築しておく必要があります。一度決めたらもう後戻りはできない極めて重要な工程です。

GRWはボリ○アという現実世界の「過去」に幾つかの演出を加えて移植するだけで良かったんですね。地名に現実の名を与えたその瞬間から「過去」が勝手に自動的についてくるのでありますからこれほど楽なことはない。なにより設定として破綻のない堅牢さがあります。

一方のGRBの舞台アウロア島は架空要素の高い構成で、AIの予定が無かった初期にそこにな~~~~んとなくポチっと配置してしまった建物や山や水源地などにある日突然「過去」の設定を要求される格好になってしまうわけですから、さぁ大変。もし制作する側にいたならば大暴れ間違いなしの追加発注案件の発生です。→作家&デザイナー「先に言えww、そういうことは先に言えwwwww(顔は笑っているが目に殺気が宿ってるアレ」

激戦の末、目に映るモノの過去や経緯の設定が終わったとしても、今度はそれをAIの台詞として適切に表現しないといけないわけで、これが言語化の壁として目の前に高く厚く立ちはだかるわけです。

UBISoft のサイトに対応言語の一覧が載っているんですが、これを書いている時点で視覚的なテキストだけでも 17言語、聴覚にも訴える言語化は 9言語、というのが見て取れます。

時折ゲーム系メディアなどでゲーム翻訳の苦労について特集している記事を見かけますが、視覚だけの、いわゆるテキストの翻訳だけでも結構な作業量になるんだそうで。特に台詞などはゲームのレーティング範囲内でキャラの性格や経緯に沿った言い回しにしながら、加えてその言語が主に使われる地域での「避けなければならない表現」等々を考慮しつつ翻訳し、それでもってチェックしないといけない。

まぁ、ここまでなら(質のバラツキに目を瞑れるなら)翻訳家に丸投げでもなんとかなるかもしれません。

しかしながら、聴覚系のいわゆる声優を起用した音声データを準備するとなると途端に工数が跳ね上がります。その言語ごとに担当者を配置して、現地で声優の募集選定をかけ、ゲーム内の設定の共有と演出の打ち合わせなどを繰り返し行い、場合によっては同じセリフも数パターン収録し、ゲーム内でデータとして破綻する要素がないかをチェックし、データ編集だけではどうにもならない部分が出てくれば再度、声優と追加収録を調整しないといけない。これを 9言語。うへぇ。

プログラム、過去や経緯経歴の設定、翻訳と収録 ―― 「饒舌」で魅力的な悪ガキ三匹を現出するためにこれだけの工程を経なければいけないわけで、国境をまたいで係る人数、拘束する期間、発生する費用、どれをとっても眩暈のするような規模になってそうな感じです。きっと実際はもっと複雑な流れをとるはずですから、ある日突然AIの追加を告げられたGRB制作実行部隊の皆さんにはただただ深い同情の念を抱くわけです。そしてその上で思うのは、ああ、やっぱりGRWは神懸ってたんだなという(結局ココ

x

この行間から滲み出る熱量こそ

DATE: 2019-09-30CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:,

そういえばGRWのオープンβの時はどんなこと書いたんだっけ? と遡ってみたら意外と BREAKPOINT との比較対象として面白いこと書いてたんだなということを発見してしまいました。よければ一つ前のエントリ BREAKPOINT のオープンβ感想とあわせてお読みくださいw

なんだかんだあの時にフォーラムで言われまくったことはほぼすべて修正されて BREAKPOINT に引き継がれているあたりはよくやってるんじゃないかと素直に感心しました。やるじゃん UBI。

死体に関してはどうでしょうか? 私は一応はじめの数回は死体を運んでみましたが、正直、「めんどくせぇなぁ」としか感じなくてもう全然その後は野ざらしです。私の予想では多くのプレイヤーが「めんどくせぇ」という理由で殺してから運ぶんじゃなくて、自分で歩いて行ってもらってから仕留めてそのまま野ざらしにしてると思います。ボリ〇ア仕込みの殺しのテクニックです。そこかしこに死体が転がるアウロア。たぶんこれターミネーターvs.ゾンビ物来ると思います(ぇ

斜面の転げ落ちるのはどうでしたか? たぶん開発は拠点から逃げ出すときやヘリから逃げるときにリアルなら滑落死間違いなしの鵯越の逆落としな挙動をそれっぽくしてみたかったんでしょうが、オープンβの反応を読んでるとこれはがっつり修正入ると思います。個人的には嫌いではないけどちょっと転げすぎかなと。でも斜面をわざわざスラロームでジグザグに走って下りるのは悪くなかったですw。それに対抗策として「アウロアはバイクで登って、バイクで降りる」という深い深い哲学が生まれそうでできればこのまま放置して欲しいとちょっと思いますw

それより勿体無いのは水筒です。ごっこ要素としてはかなりツボなんですが、うーん、もうちょっと違う組み込み方はできなかったのかなぁと。斜面転げるのより水筒をなんとかして欲しい。あと大抵の装備では背中にアレを背負ってるでしょうからチューブでチュウチュウ吸ってほしかったり。

他にも何かあったような気がするんですが、とりあえずGRWをまるで救世主のように書いている 2年前の自分に GJ しとこうと思います。

x

次のページ≫