もれそうでもれないの閾値をもらすべきかもらさざるべきか
まずは前回の投稿の Ubisoft と Tencent の結果を分かりやすい 4Gamer と少し詳しい Automaton で。最初にこのニュースを聞いたときは正直「支配目的で仏企業に手を出すとか馬〇なのかな」と思ったりもしたんですが、いやいや、もしかするとすごい裏工作が進んだとか仏大臣の精神支配に成功したとかで関係者からの「実は始皇帝時代の秘薬を……」的なお漏らしがあるんじゃないかしらと様子を見ていたんですが、どうもなさそうなのでここらで一度。
”全てのフランス国外の投資家は、フランス通貨金融法典に定められるフランスの一定の事業の支配権の獲得について、事前に承認を得るための申請をし、経済・財務大臣の承認を受けることが求められている。”
”EU/EEA(European Economic Area)の域外の投資家に限っては、支配権の獲得のみならず一定の閾値を超える議決権の取得についても対内直接投資に係る規制の対象とされており、その閾値は、2019 年に 33%から 25%に引き下げられ、さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済的ダメージが戦略的産業にとって潜在的リスクを上昇させていること等への対応として、フランスの上場会社について時限措置として、閾値を 10%まで引き下げるものとする。”
Ubisoft はフロランジュ法を適用している? ようですので、「2年間株式を保有すると議決権を 2倍に数える」あたりのルールをきっちり殺す項目を加えてくる雰囲気。
結果は予想通りの厳しく制限された出資となりましたが、Tencent 側も相当頑張ったのでしょう、時限式というか遅延式の信管を仕込んだ状態で確定させたのでコロナ終息を期待しつつ数年後にもう一度ネタとして浮上する可能性があります……あるんですが、問題は「それまで Tencent が今の勢いを維持できるか」というのがゲーム界隈の関心を集めているようでして。
PC GAMER あたりは懐疑的。他のあまり聞いたことのないようなゲームメディアも似たような傾向。Tencent が中国から逃げ出したくて仕方がないというのは政府の締め付けが強くなる前後から漏れ漏れでしたので、勢いのあるうちにどれだけ海外に足場を築けるか。一部の報道では投資の方針転換をしてこれからは「完全掌握を目指す」投資をしていく的なのも流れてますし。時間との勝負なんでしょうか。政府の嫌がらせをいなしながらになるでしょうから結構厳しそう。
一方の Ubisoft もあまりよろしくないネタ多めで、そもそも Yves 某がウソかホントか Ubisoft 売りたがってるというネタが流れ始めた頃から Tencent が猛烈に発情したようにも見えなくもないわけで。Ubisoft 経営層もじわじわと漏れ続ける醜聞にちょっとうんざりしてたのかも。もうパンツにティッシュ仕込むしか。
個人的には数年後 Ubisoft を Tencent なり Microsoft なりが買収しようとした瞬間にフランス政府が鬼の形相でそれまで聞いたこともないような法案を一晩で成立・施行させて強行介入してくる神懸かり的な流れを期待しているんですがどうでしょう? かの国の保護主義的な姿勢からはなにかこう、血沸き肉躍る凄い法案が飛び出してくるんじゃないかとワクワクさせるものがあります(妄想例:何かの間違いで企業買収を大臣が承認しても 96時間以内なら大統領権限で大臣を罷免したうえで新大臣の承認も必要になる(仏国民すべて使い果たすまでループ可)、的なww