不思議思想CQB学: 二人で進入編

FIRST EDITION: 2003-02-02LAST UPDATED: 2012-03-08

はじめに

ネット上で遊ぶオンラインならではの遊び方の一つに全員で協力するモードCOOPがあります。チーム内で相互にサポートしつつ目的を達成するのはオフでは絶対に味わえない楽しさがあります。

ただ協力プレイといっても慣れないうちはソロプレイの延長線上のような遊び方になるはずです。もちろん、和気藹々と建物内をうろつくのもそれはそれで楽しいわけです。しかしある程度ゲームに慣れてくるとそういう「なんとなく遊ぶCOOP」では物足りなく感じるかもしれません。そこで紹介するのがより硬質の協力プレイです。

よく映画で主人公とその相棒が敵の本拠地に殴り込んでお互い援護し合いながら通路を進んでいくシーンがありますよね。時に片方がその場で援護射撃し、時に目配せをしてドアを蹴破ったり ―― これは主に刑事モノで見かけるシーンですが、実は特殊部隊でも二人一組で動いて互いをサポートし必要最低限の身振り手振りで意思の疎通を行い、建物内部をある時は慎重に、ある時は大胆に行動する考え方が存在します。

今回は最小構成のマルチプレイ「二人で遊ぶ場合」に焦点を合わせ、妄想的二人プレイをするお話です。

二人一組

特殊作戦に於いて二人一組で行動するスタイルを、関連サイトでは two-man cell と表現しています。サイトによっては buddy system と呼ぶところもあるようです。two-man cell(以降2MC)は相互に援護/連携することで安全性や対処/行動力を高める効果があります。

この時点で多くの人はこの「2MC」と「単に二人でマルチプレイ」とは何が違うの?と疑問に思うかもしれません。普通のマルチプレイでは近場を各自バラバラに行動しますが、2MCでは二人がただ近くにいるというのではなく、常に相方の動きに反応して態勢や位置/行動方針を次々と移行していく一個の優れた戦力として機能するあたりが、バラバラ的マルチと異なります。

単独と2MC

ところで、単独行動と2MCでは何が違うのでしょう?

人数が増えているから火力が違う?勿論それもあります。ですが、最も大きな違いは監視能力です。どんなに火力が上がっても先に敵を見つけなければあまり意味がありません。2MCでは単独時に比べて監視能力が大幅に向上します。作戦がごく普通の屋内で行われるならば死角はほぼ無くなるといっても良いでしょう。広角度で存在する進入経路に対しても、より強い支配を行使できるようになります。

ただし、そのためには二人が適切に行動する必要があります。適切に行動できれば戦力は大きく向上しますが、逆に適切に行動できないと戦力は単独で行動する時よりも低下するようです。では2MCでの適切な行動と不適切な行動とは何でしょう?

行動目標と主と従と

2MCで重要なことは相互の意思疎通が出来ていることです。2MCでは常に次のことを了解していなくてはなりません。

  1. 次に何をするのか
  2. 誰がそれを最初にやるのか

これらの目標は「公邸に突入して人質を解放する」というような長期的で漠然としたものではなく、「(誰某が)扉を開ける」「(誰某が)支配権の確認をする」という具合に移動/進入/制圧の各局面で可能な限りの短期的目標でなくては意味がありません。

単独で行動する場合、この2点は自然と決まるためプレイ中に意識することはありませんでした。しかし2MCではこの2点を明確に決定しておかないと、cellとしての機能を十分に発揮できなくなります。ちなみに1.が明確に決まらないと2.を決定することは出来ません。2.は隊員の装備や得意分野に応じて判断されるべき事項です。そして2.はその目的達成に際してどちらが「主」でどちらが「従」かをハッキリさせると言う事です。

「主」とは目前の行動目標を達成するために全神経を集中します。ここではこの様な役を(一般的な解釈とは若干異なりますが、便宜上) point-man(以降PMと略)と表しておきましょう。「従」は「主」が行動目標の達成に集中できるようエリア支配を強化し「主」に掛かる負担を可能な限り引き受けます。この支援を中心とする役回りを backup-man(以降BMと略)と呼びます。

現実の特殊部隊ではPMBMの役割は固定となっているようです。しかしゲーム中では、二人の位置取りや状況に応じてPM役/BM役を入れ替える方が適切な場合もあります。この様な可能性を考えて、今回の解説では「その目的を直接達成する隊員をPMとし、支援する隊員をBMとする」として、「その都度役を割り振る」考え方で統一します。

目的と役割がはっきりした時点で、PMBMの取る適切な行動がそれぞれ決まってきます。PMは目的を達成する上でBMの援護を受けやすい形で動く事が適切であり、BMPMの行動を不必要に制限しない範囲で負担を取り除くよう行動するのが適切となります。

一度計画が実行に移ると、PMは目的に向けて進みます。この時、PMBMの支配下(または影響する隣接エリア)の外を行動してはいけません。常にBMの影響下に身を置くよう心がけましょう。「影響下」とはBMの装備で有効な射撃精度を得られる範囲を指します。BMSMGを装備している場合は、自ずとその影響範囲も限られてくるので、PMBMの装備を考慮に入れて行動する必要があります。影響する隣接エリアとは、例えば、PMのいるエリアに通じる経路が1ヶ所(袋小路)・2ヶ所(一本道)ならその出入り口1ヶ所をBMが押さえている限りPMBMの影響下にあるといえます。

この他にも「影響する隣接エリア」は状況によりいろいろな形で成立します。

以後の解説ではこの「BMの影響下にPMが入る」ことを便宜上、「リンクする」と表現します。「これから取る行動がBMとのリンクを遮断しないか?」これがPMの行動選定の基準となります。

助演賞を取るために

このリンクさえ気を付ければ、PMの行動は単独行動時の「余計なことを考えなくて済む、よりスリムになったもの」と捉えることが出来ます。単独行動時に注意したい点はすでに解説済みですね。そこで、これからの内容は2MCであなたがBMになった場合の考え方を中心に進めます。

世の中には主役よりも名脇役に憧れる人も少なくありません。さりげなくサポートすることに萌え死ねる人も意外と多いのではないでしょうか?

そんなわけで名脇役を演じ易い状況に持ち込むためのBMの行動を考えてみましょう。

cover

BMの基本思想はcoverです。cover とはそのエリアの支配力を強化するためにとる行動です。2MCで行動する場合、PMが目的に集中できるようBMが支配を強化/維持しPMの負担を代わりに背負うことを指します。

そのため cover はPMの立場から見て「その支配の重要性が低下するまで」継続します。その地点での cover の重要性の判断はエリアの構造やPMの位置によって刻々と変化していきます。基本的に2MCではPMの直接的援護にならない cover をいつまでも続ける必要はありません。より適切な「PMのための cover 地点」へ支配を維持しつつ移動しましょう。

また、cover 時のPMBMとの距離も状況に応じて変化します。例えばPMの立つ位置にあってはじめて発生するストレスがある場合、BMの cover 位置は自然とPMのすぐ傍になります。しかし、離れていてもPMに掛かるストレスを共有し減殺できる場合は無理に距離を詰める必要はありません。有事にすぐに詰めることの出来る範囲で距離を取るのも一つの選択肢です。

この辺りはその cell でのスタイルがあるでしょうから何ともいえませんが、一般的に理由も無く距離を短くすると、敵の掃射に巻き込まれたり、射線を遮ったりと幾つか弊害が発生するのも事実です。

移動

2MCの移動では「二人同時に移動する」場合と「交互に移動する」場合の二通りが考えられます。

最後に制圧したエリアの構造が単純で進入経路も数が少ない場合は二人同時に移動して構いません。その際、PMは進行方向に全神経を集中しますが、BMはその他の未探査経路を警戒しつつ移動します。もし未探査経路が1ヶ所しかない場合は、BMPMと共に進行方向を警戒します。この際、BMPMの真後ろに付くか通路を挟んだ逆サイドにつくかは cell の都合の良い方を採用します。

通路を挟んだ逆サイドにつく案はBMに良好な視界を提供する反面、真後ろに付く時と比べてFFの可能性が上がることを考慮しましょう。広い通路では cell の間に走りこまれると成す術がありません。一方、真後ろに付く場合はBMの進行方向に対する支配力が弱くなります。どっちも困ったもんだ。

一方、最後に制圧したエリアの構造が複雑で進入経路が多い場合、BMが cover を実行しエリアに対する支配を強化した状態で、PMを先に移動させます。PMが次のエリアの入り口に達したら、今度はPMが cover を行い、BMの移動を援護します。もしエリアの構造が広く、PMの先行移動時にBMとのリンクが切れるようであれば、PMはリンク境界の適切な位置で cover に移行し、BMの到着を待ちます。

進入

cell が進入を開始する場合、BMは進入先のエリアの構造に応じて行動を組替えます。進入先の構造で考えられるケースは「単純な構造」の場合と「複雑な構造」の場合の2通りです。

進入先の構造が単純な場合のPMの主なストレスは進入先エリアの支配権確認中に背後から撃たれる事です。例を挙げると、これから進入しようとしているエリアよりも現在支配下に置いているエリアの方が複雑な構造をしている場合が該当します。このような状況ではBMは現エリアの「他の進入経路」を監視下に置き、PMが背後から撃たれないよう警戒しなくてはなりません。

通常のマルチ、特にゲームに慣れないうちは進入を開始する際ついつい全員で一つの入り口に殺到してしまいがちですがこれはあまり機能的ではありません。狭い通路で複数の隊員が支配権の確認をはじめても、実質的に射撃可能状態にあるのは先頭の一人であり、それ以外の隊員は射撃できない(支配権を主張できない)存在となります。このような状態で通路を塞ぐと先頭の隊員が身を隠そうと後退してきた場合、その行動を著しく制限してしまうのです。

先頭の隊員が気を配って姿勢を低くしている場合はその後ろの隊員も射撃可能ですが、先頭の隊員に比べて視界の劣る後続は支配権の主張も弱くなってしまいます。通路が広い場合はこの限りではないので全員で殺到するのも楽しそうです。

もちろん2MCでも進入時にBMが接近しすぎると同じ事が起こり得ます。PMの行動を制限しないためにも、BMPMから適度に離れて cover しましょう。状況によってはエリア一つ分離れても構いません。例えば、進入経路を複数持つロビーから先が行き止まりの一本道のエリアをPMが進入/制圧する間、BMは無理についていく必要はありません。ロビーと一本道の境界あたりでロビーへの支配を強化するのも一つの考え方です。

この場合はBMPMについて行っても構いません。この辺りはその時点で「楽しそうな」方を選ぶといいです。せっかくのゲームですから自分の妄想スタイルに反しない範囲で楽しそうな方を選びましょう

進入 ―― 複雑な構造

BMが考慮しなければいけないもう一つの状況は、これから進入しようとしているエリアの構造が複雑な場合や未制圧エリアからの進入経路が広範囲に広がっている場合です。

このような状況ではPMのストレスは広範囲の確認を一人で受け持つことであり、BMはその負担を軽減するためにPMの進入と同時に(またはすぐ後に続いて)進入を開始します。BMが担当するのはPMの反対/死角方向です。三叉路のような構造ではPMが進入した通路とは別の通路へ進入し、支配を確立します。

状況にもよりますがBMは深く進入してはいけません。BMの進入とは、PMの負担を一時的に緩和するための進入であって、逆方向への単独での制圧を前提にしているわけではないのです。PMとのリンクを断つことは双方に危険を招きます。

入り口付近で支配を確立したらPMにその旨を伝えてPM側の状況を推測します。PMが更に奥へ進入するようなら、BMは担当方向への支配権を維持したままPM側へ移動を開始します。もしPMの進入方向が袋小路ですぐに制圧できるような構造ならば、BMは移動せずにその場で cover を継続しても構いません。

ゲームシステムやサーバのゲーム設定にもよりますが、マップやレーダーが使用可能ならそれらの機能を使って cell の位置関係を常に追跡/把握しましょう。これらの機能にはその時点で遭遇した脅威の位置情報等も表示される場合があるのでかなり重要です。

進入 ―― 状況報告

2MCでは要所で互いの視野内の情報や状態を通知することが望まれます。お互いの情報が関連付けされることで、対応力の向上を見込めるからです。特に重要なのは「担当範囲外の脅威の有無」に関する情報で、進入直後の最も情報処理能力が必要とされる時にこれらの脅威情報が提供されると、PMの負担はだいぶ軽減されます。

状況報告で注意したいのは「その時、その位置」での情報であり、1秒後もその状況が続くとは限らないことです。マルチプレイで「視界内に脅威なし」という旨の報告があったとしましょう。もし直後に敵の襲撃を受けたとしても、報告者に責任はありません。報告した時点では確かに視界内に敵はいなかったのですから。

そんなわけで間違ってもゲーム中に「いるじゃ~ん~」と怒るのは無しです。全員で「誰も反応できなかったねぇ」と泣くのはOKですが

ただし実際の状況と報告内容とが一致しないのは問題があります。進入初期段階で(まだ確認していない物陰等があるにもかかわらず)「Clear(制圧)」と発してしまうと、エリア外にいる受信隊員はエリアを完全に支配下に置いたものと勘違いするかもしれません。この辺りのタイミングや表現の仕方は少し気をつけたほうがいいでしょう。

マルチプレイで初めての人と遊ぶときは注意が必要です。あなたには常識的な言葉/用法であっても、相方が理解しているとは限りません。特に英文や軍事系スラングを用いる場合は慎重に。ネット上では年齢も趣味も異なるプレイヤーがそれぞれの切っ掛けでR6シリーズと出会っているわけですから。

報告では周囲だけでなく、現在自分が取っている行動をそっと囁くこともあります。特にBMは cover に移る時にその旨を報告できるとPMも安心感が増します。ただし四六時中「Covering」と囁かれるとPMも気が散るでしょうから、通常とは異なるタイミング/位置で cover に移る時にのみ報告するという手もあります。

さりげなく囁く「Covering」等の報告には無理に返事をしなくてもいいかもしれません。映画・ドラマ的には同様のシーンでは何も言わず、けどちゃんと理解してるじゃありませんか。いや、もちろん、これは気心知れた仲間内のお話です。でもどちらの場合も進入を終えて支配設定を終えたら「Clear」とちゃんと報告してあげるとBMも大喜びです。

進入 ―― 扉

扉に対する行動の基本は単独行動時と同じですが、2MC時は配置に関してより豊富な選択が可能になります。

単独行動時に支配維持の関係で出来なかった「未探査進入経路を背負う形」での配置が、BMの支援により可能になります。この場合、BMは特に理由が無ければPMの背後に移動し、PMが支配権の確認をする間、現エリアの他の進入経路を監視します。

扉の先の構造によっては扉の一方向(ノブ側/ヒンジ側)からでは進入先エリアの見通しが悪い場合があります。この場合、BMが扉の逆サイド(ノブ側/ヒンジ側)に位置して、進入先エリアと現エリアの同時監視を実行しようと考えるかもしれません。この際、BMは安易にドアの傍に陣取ると次のリスクを背負うことになるので注意してください。

  1. 洋式建築で部屋(現エリア)から通路へ進入する場合、扉がBM側に開く。
  2. 扉解放後、進入先エリアに全身を晒す可能性がある。
  3. 扉解放後、敵が飛び出してきた場合、PMに対してFFする可能性がある。
  4. 現エリアから敵の進入を受けた場合、PMに対してFFする可能性がある。

もしPMと扉(引き戸)を挟んでヒンジ側で cover を行うなら、最低限、扉の開閉動線上から離れ不必要に進入先に姿を見せないよう一捻りして cover するようにしましょう。

個人的には引き戸を両側で挟む形の配置はお勧めしません。これが開放時に押す格好になる扉ならそんなにリスクはないんですけどね。

制圧 ―― 突入前配置

進入先が部屋で cell が入り口から突入する場合、実際のCQBでは対角線沿いに移動するのが定説となっているようです。

やや理由は異なりますが、ゲームでも入り口両サイドに陣取った場合、視界の通る対角線沿いに移動した方が状況確認の手間を一手間分省けるためスムーズに移動でき、それだけ早く射撃に集中できるようになります。ただし、両サイドに配置できる状況というのは扉/高度のステルス技能等の情報隠蔽/秘匿が可能な場合に限られるでしょうから、通常は次の片側からの展開になります。

入り口の片側から進入をする場合は進入する方向とは別サイドを確認する必要があります。一手間増えるのを嫌うPMは確認と合わせて、そのまま逆対角線側へ位置するかもしれません。そのような場合、PMは姿勢を低くして進入するとより効果的なBMの援護を受けることができます。続いてBMが室内へ移動する場合は前述の進入時の考え方に沿ってPMとは逆の対角線へ入ります。

片側からの進入時にPMが射撃し様子を見て移動、BMが上がって援護射撃開始という流れでは瞬間的に室内に対する支配権主張が途切れることがあります。これを回避する方法としてBMが先に射撃を開始して、PMBM後方から上がって室内へ突入するスタイルも考えられます。この順番で入ると室内への支配権主張が途切れることなく継続できるので、より攻撃的な突入が可能になるかもしれません。

突入前配置
配置 実行
射撃姿勢にあるのがBM、手前がPM、突入開始と同時にPMは素早く室内へ 対角線側に入りたいが、その場合、右側の確認が必要になる。度胸があればskip可

PMはやけくそ気味に突入できるので、より突入魂に火がつくというか、私的には娯楽性が高くて好きなんですけどね。でも、これもcellのスタイルによると思いますが……

制圧 ―― 特殊装備の使用

2MCでは単独行動時と比べ、FBやTGなどの特殊装備を運用しやすくなります。

単独時は特殊装備を使用すると武器の持ち替えというリスクを背負いましたが、2MCではPMの背後からBMが特殊装備を使用することで一人目が突入するまでの所要時間を短縮でき、且つ、その間の安全性も大きく向上します。

装備の使用要請はエリア確認をしたPMが行うとゲーム展開がスムーズになります。もしその装備をPMのみが所持している場合はここでPMBMを交代します。

特殊装備の使用は必ず後方のBMが行います。PMはどんな時も銃から手を離してはいけません。先頭に立つ隊員は不意に飛び出してくる敵に備えないといけないのです。これは扉越しの制圧にも言えることで、扉を開ける隊員がFBを握っていては不意の遭遇に対応できません。2MCFB等を使用する場合、先頭のPMは必ず射撃姿勢を維持しBMは後方から投擲するよう心がけましょう。この際、PMは投擲までの間、BMが視界を広く取れるよう「しゃがむ」とFBの効果的運用に貢献することになります。FBは発火点の位置が重要になる装備ですが、その位置をコントロールするには投擲時のBMの自由度が絡んできます。

投擲関連で付け加えると、BMFB発火地点の位置を深く取ろうとして進入エリアに対して身を晒すような位置へにじり出ていく光景を良く見かけますが、これも危険な行動の一つです。

気持ちは解ります。ええ。ついつい「もう少し。もうちょっと覗いて……」と。で、気がつくと通路ど真ん中に立ってるわけです

FBの効果的運用を考える時、「敵との距離」よりも「敵・発火点間の遮蔽物の有無」の方が優先度の高い要素となっています。エリア深く敵の近くへという点にこだわりすぎるのも考え物です。敵が奥深くにいる場合はSGへの切り替えも視野に入れて柔軟に対応しましょう。

制圧 ―― スタック防止

2MCに限らず、複数人で遊ぶマルチプレイで気をつけたい点として「エリア出入り口を塞がない」というのがあります。戦闘が始まると身を隠す目的で、細い曲がり角や狭い出入り口に居座ってしまいがちですが、これは他のプレイヤーの行動を阻害する行為です。

分担のはっきりしている2MCでも、状況によっては二人で室内に入ることもあるでしょう。その際、PMが入り口を塞いでしまうと、結局、一人で戦うのと同じ事になってしまいます。たとえ一瞬でも、先制攻撃権の奪取に成功したら、勇気を持って前進/移動し即射撃姿勢に移りましょう。この間に、それまでのPMの位置にBMが移動し cover 態勢に移ることで、火力/支配力共に大きく向上するはずです。

また移動後、再び銃撃戦が始まったら、PMは安易に動いてはいけません。射撃中は自分のすぐ傍をBMの火線が通っていることを意識してください。不用意に立ち上がったり、左右に移動するとFFが発生します。この場合、悪いのは前触れもなく動いたPMです。またBMはこのような状況でPMの行動を制限しないよう可能な限り立ち位置と照準を制御してください。

とはいうものの、前触れのある移動ってどんなんだよ?という気もします。いや、なんとなく判る時があるんですよ。あ~、そろそろ動くな……ってのが。問題はそれ以外のタイミングで動くとき。心臓止まります。

制圧 ―― 制圧完了

エリアの制圧が完了したら、すぐに支配強化を行います。PMBM共にエリアの進入経路を監視できる位置へ移動します。

また、この時合わせて装備の確認を行います。primary/secondaryの残弾の具合を見て必要ならば弾倉交換を行います。この時、出来ることならば、二人同時に弾倉交換を実行しないよう注意しましょう。弾倉交換中は支配力が劇的に低下します。二人同時に行うと脅威の不意の進入に対応できなくなるので注意しましょう。

私の経験では「一人が弾倉交換をはじめると、連鎖反応的に執と弾倉交換が広がっていく」ように感じるので、よほど強い意志をもたないと抗えないのではないかと……

また制圧の過程で相方が使用したFB等の残数も記憶、確認しておくと突入前の無駄なメッセージを省くことが出来、スムーズなゲーム展開を楽しめます。

おわりに

2MCは屋内での効率的なリスク排除を追求する考え方 ―― 防御的な思考 ―― を形にしたと考えていいでしょう。その基本は死角の排除にあります。もちろん状況によっては2MCは火力の強化にも繋がりますが、それはあまり重要ではない気もします。

より攻撃重視の遊び方をしたい場合は、さらに一人増やして three-man cell/3MCという形態が考えられます。妄想的3MCに関しては「不思議思想CQB学 三人で支配 three-man-cell 編」で。