GHOST RECON WILDLANDS レビュー

DATE: 2017-05-29CATEGORY:GHOST RECON seriesTAG:,

GHOST RECON WILDLANDS(以下GRW) は 2017年 3月に発売されたGRシリーズ最新作。前作GRFSより 5年ぶりの新作となる。南米の対麻薬作戦に投入される GHOST の活動を扱う。物語時間軸はGRFSより前となる。本作最大の特徴はシリーズ初となるオープンワールド制の採用で、これにより小規模特殊作戦での目標へのアプローチから離脱までが省略なく一連なりで体験できるようになった。

このレビューではGR原理主義者の視点から「GRはオープンワールド化でどう変わったのか」を中心に話を進める。

ストーリーとシステム概略

―― 日々変化する南米の麻薬事情に対して最大の市場であり消費国である米国はその特殊性を前に積極的な解決をとれずにいた。しかし麻薬カルテル SANTA BLANCA の関与が疑われる大使館爆破事件と潜入内偵活動中の DEA 特別捜査官の死が状況を変える。米国は介入を決定し、関係機関合同で SANTA BLANCA の壊滅をはかる Kingslayer 作戦を発動する。同作戦 CIA 担当官の Karen Bowman は作戦の遂行と同時に一連の爆破/殺害事件の真相を探るべく実行部隊に最初の標的を伝えた。南米ボリビアを舞台に特殊部隊 GHOST の戦いが始まろうとしていた ――

GRWはプレイヤーと追随する 3人のAI隊員の計 4人からなるチームで Kingslayer 作戦に従事し、麻薬カルテル SANTA BLANCA の組織的弱体化とその首魁 EL SUEÑO の排除を狙うTPSスタイルのGRとなる。基本的にはここ数作のゲームスタイルと通じる部分が多く、特にドローンや指定した標的を問答無用で排除するSYNCショット、装備のカスタマイズ要素などGRFSで好評だったシステムを強く受け継いでいる。

本稿でシステム詳細や登場する人物組織の設定や背景を事細かに触れるつもりはないので詳細を知りたい場合はWikipedia(ja)あたりが適当そう

オープンワールド化

これまでのGRシリーズはソフト/ハードの制約から「作戦とゲームのレベルデザインとが融合した状態」で「主要な戦闘部分だけを遊ぶ形式」だった。その他の部分は短いテキスト(たまに動画)として与えられるだけだった。しかし本作GRWではオープンワールド化の恩恵で ―― 標的を選び、それとなく接近し、目立たぬよう偵察し、時に協力者を使って内部情報を得る。脅威の出入り動きを見計らってここぞというタイミングで攻撃を仕掛け、本格的な反撃が始まる前に離脱し身を隠す ―― この一連の過程を全て「通して遊ぶ」ことのできる初めてのシステムとなる。これまでブリーフィング/デブリーフィング内でテキストとして処理されていた特殊作戦の「はじめ」と「おわり」部分(少数による特殊作戦定番ネタの多くが含まれる最もおいしい部分)を実際に遊べるようになった画期的なタイトルといえる。

またオープンワールド化の恩恵はこれまで隔絶されていた作戦領域に外部から不確定要素を運んでくる点でも顕著だ。もちろん初代GRでも作りこまれたミッションでは「仕込み」としての偶発要素は存在したし、見方によってはGRWの不確定要素の流入もこの「仕込み」の延長線上ではある。しかし「どこでどう仕掛けるか」でも遊ぶことのできるGRWでは自分が決めた作戦エリア内を交通インフラがどうのように走っているかを考えることは「面白い要素」であり「難易度調節」という意味で深く関わってくる。これまでゲームデザイナーに任せっきりだったゲームの「味付け」がプレイヤー側に一部開放されたわけであるから、その意味でもGRWは画期的と言っていい。

また交通インフラは脅威などのNPCだけでなく現地点から次の作戦に向けての移動を必要とするプレイヤーにとっても重要な要素である。これまでプレイヤーは作戦と作戦の合間の距離感や空間を認識することはなかった。作戦を終えると自動的に次の作戦エリアに運ばれていたためその必要がなかったのだ。GRWでは作戦ごとに事前に自分が決めた「開始位置」に移動しなければならない。つまりオープンワールド化で先の作戦の「おわり」から次の作戦の「はじめ」までの部分も遊べるようになったのだ。

合間に広がる世界

プレイヤーは作戦の合間の移動中、広大でそれでいて緻密に描かれたゲーム世界を風景として眺めることになる。「風景を眺める」というのは歴代GRでも無かったわけではないが、実際に「そこに行ける」のはおそらくGRWがシリーズ初となるはずだ。

GRWのゲーム世界は現実のボリビアをモデルとしているためゲーム中のロケーションのほとんどが標高 3,000m前後という尋常ならざる高地に設定されている。この高地要素をベースに雪山、森林、荒地、湖、人口密集地等々の基本地形はもちろん、現実のボリビア観光目玉の一つ「塩湖」もあってゲーム中でドライブや散策の行き先に困ることはない。またささやかではあるが古代の遺跡や炭鉱跡を利用したちょっとしたダンジョン要素もあり、あとはDLCかなにかで水中も自在にいけるようにさえしてくれれば凡そ特殊作戦で考えられる地形は押さえているのではというぐらいに充実している。

草木の表現も見事だ。特にその密度変化は素晴らしい。歴代GRでも森林地帯を表現する試みは行われていたが、密度の高い進入不可な壁としての森かスカスカの間伐林に偏ることが多かった。GRWでは様々な表情を見せる木々の中をプレイヤーはほぼ自由に進むことができる。また周囲数百メートルの木々はそれなりに判定も持っているため、プレイヤーはそういった木々の要素を作戦に織り込んで遊ぶ事もできる。

断崖や斜面、その傾斜とスケールも歴代のGRでは味わうことのできない特筆すべきものがある。視界一杯に連なる山々、長く伸びる尾根と谷。つづら折りの山道に沿って登ることもできれば、少し道を外れて転げ落ちることもできる。崖も十分な高さがあればパラグライダーを展開する大道芸も試せるし、展開せずにそのまま地面に刺さる遊びもできる(たぶん死ぬ)。GRWに登場する傾斜の大きさとその長さは初代GRでわずかな段差を超えられなかった経験を持つ者には感慨一入だ。

沿道には所々ささやかではあるが演出が施されている。中でも宗教的な碑像は比較的多くみられるが、その様式は土着の信仰と外から入ってきた信仰とが融合した独特の雰囲気を醸している。信仰とカルテル支配との癒着が強い地域ではそういった碑像の数も規模も大きくなる。ひと気のない森や川縁で碑像(なぜか蝋燭に火が灯っている)と遭遇するといろいろ連想せずにはいられない。またそういった碑像の中には特別な伝承を伴うものもありより深い世界観の構築に一役買っている。

GRWでは視覚的な情報だけでなく、聴覚からの働きかけも強い。最も身近なのは GHOST チーム内でのやり取りだろう。そのエリアや沿道で見かける光景などチーム内でそれに関するやり取りが行われ、カルテルの位置づけや作戦の意義が再確認される過程はこれまでのGRシリーズにはほとんど見られなかった手法だ。さらに面白いのは、チーム内のやり取りと対を成すラジオ DJ ペリコの存在だろう。DJ ペリコはカルテルが運営するラジオ放送の DJ で軽妙でそれでいて恐ろしく俗っぽい語り口が特徴の広告塔にあたる。チーム内のやり取りが「介入する側の視点確認」とするならば、DJ ペリコには「介入される側の視点紹介」という役割分担がなされている。プレイヤーは作戦の合間に音としてこのゲーム世界で激突する二つの視点を知ることになるのだ。

乗り物

GRは歩兵分隊の戦闘行動を扱うゲームだがこれまでその歩兵を運ぶ車両や航空機をプレイヤーが自在に操ることはできなかった。GRWには搭乗しそして運転操縦可能な車両や船舶、航空機が登場する。いろいろとクセはあるものの遂に「どこでチームを降ろし」て「どこで拾って逃げを打つ」かを自由に遊べる日が到来したのである。

GRWに登場する乗り物には燃料や弾薬の概念はない。その気になれば延々と移動し続けることが可能だ。ただし事故や撃ち合いを何度かくぐるとあっさり壊れて動かなくなる。壊すのに特別な火器は必要なく威力に応じた弾数や爆発、衝突で煙を吹きつつどんどんすり減っていく。乗り物はすべて使い捨てだ。また運転や操縦はプレイヤー自身がする必要があり、AIに運転を任せて助手席でのんびり風景を眺めるという事はできない。

AI同士の交差点での処理に不安があってできないようにしているんだと思いますが、幹部の逃走ルーチンを見るに助手席側から「強行」ボタンとか左スティックで車線のどの位置を維持するか指定できれば意外といけそうな気もするんですけどね

またプレイヤーは「体当たりまたは一部の、機軸に固定された武装による正面方向」以外の攻撃に参加できない。正面以外への攻撃は同乗するチームAIに頼ることになる。尚、チームAIは車両等で箱乗りする際に窓ガラスを叩き割って身を乗り出す。従って窓を割れない乗り物やそもそも窓がない乗り物ではAIは攻撃に参加しない。

最大搭乗人数の少ない乗り物の場合は溢れたAI隊員が後から別手段でついてくるという設定で一時的にチームから離れる。離れた隊員は戦闘には参加できないため車両等での銃撃戦が予測される場合は搭乗人数の多めのものを調達しないと火力不足で撃ち負ける状況に陥る。特に保護対象を連れて移動する際は連れていく人数分の火力が削られるので乗り物は慎重に選びたい。

車両は民生用を中心に数多くの種類が用意されている。セダンタイプの乗用車はもちろん、SUV やピックアップトラック、運送用トラックや農耕用トラクターなど生活や物流を支える様々な民生用車両が登場する。一方で軍用の車両は種類はあまりなく、麻薬カルテルや反乱軍は主に民生用を改造した車両を使用している。

登場する車両にはそれぞれに運転時の感覚が異なるよう味付けがされている。加速や曲がり具合、タイヤの路面保持力などに違いがあるようだ。また大抵の車にはラジオが付いており乗った瞬間から DJ ペリコの番組を聞くことができる。ラジオは反乱軍の車でも聞けることから麻薬カルテルを嫌う層の中にも相当数の隠れペリコファンがいることが予想される。

一方で UNIDAD の車両には恐ろしいことにラジオが付いていないわけで、長距離のドライブをする予定で車両の調達を考えるときは結構重要な要素と思われるわけです。

航空機は固定翼機と回転翼機の両方が登場する。歩兵分隊の戦闘行動を扱うGRシリーズでは航空機、特に回転翼機との縁は深い。繰り返しになるがこれまでは敵やカットシーンの演出小物程度でしか登場しなかった回転翼機がGRWで遂に操縦できるようになったのは劇的な進化だ。ただし残念ながら特殊作戦ネタのかなり上位に来るであろう FAST-ROPING ができないので、回転翼機から降りるには最適な着陸地点を探して降着するか、開傘可能な高度まで上がって飛び降りるかぐらいの遊び方しかできない。

固定翼機は民生用のプロペラ機のみで軍用のジェット機などは登場しない。また飛行場の数がそれほど多くないため固定翼機を目にする機会は限られている。一方の回転翼機は軍用を中心に登場する。飛行場に囚われないのをいいことに町中や道路わき、果ては山中の斜面にあるわずかな棚に載っていたりとあちらこちらに配置されている。反乱軍に支援を要請すれば回転翼機を呼び出すことすら可能だ。

車両と違い航空機は三次元的空中機動を要求されるため操作がどうしても複雑になるのだが、GRWでは大胆に簡略化されておりそのクセのある仕様に評価が割れている。固定翼機は垂直尾翼の舵機能が省かれているため微妙なコース修正に難があり、回転翼機は滞空仕様と巡行仕様が途中でいつのまにか切り替わる初見殺しの操縦方法になっている。この辺りの理解が進まないとまっすぐ飛ぶ事すら難しいだろう。

特に回転翼機は搭乗する機会も多いのでもうちょっと何とかならなかったのかなぁと。PC版はともかくゲーム機の方はアナログスティックが二本とアナログボタンが二つあるわけですから、基本的なヘリの操縦はほぼ再現できるだろうにと思うわけで。ただまぁ、航空機に燃料と弾薬の概念が存在しないので下手にヘリの変態機動が再現できるとヘリ無双のゲームになりそうな気もしますが。

世界に働く物理

乗り物が何かに激しく衝突したり落下すると大きくバランスを崩し、時に転倒する。ただしそれは現実世界とは異なる結果になることが多い。いわゆるゲーム物理である。

GRWでは演出重視またはゲーム性重視のためかなりカジュアルな物理設定となっている。例えば車両で衝突転倒し常識的にはその車両を元の姿勢に戻すには相当のエネルギーを外から加える必要があるが、ゲーム中では自身にわずかでもモーメントが残っていれば自力で起き上がる驚異の復原力が働く。落下に対する判定もかなり甘くなっている。航空機などは少々墜落大破しても即死することは稀で、その後の機体の爆発に巻き込まれて死ぬことの方が多い。

またゲーム物理は乗り物だけでなく火器の弾丸にも適用される。

歴代GRではGL/擲弾筒といった一部の兵器で撃ち出した弾に自由落下の要素が加味されていたが、GRWではその適用範囲が拡大され小銃などの小火器の弾丸にも射出後に自由落下がかかるようになった。またこの自由落下を視覚的に楽しませる目的でか弾丸の速度がかなり遅めに設定されているのもGRWの特徴の一つだ。この弾速と自由落下で 300mを超えるあたりからの人間サイズかつ偏差射撃を要する移動標的への狙撃は相当に芸のいる遊びとなっている。

また撃ち出された弾丸には何かに衝突する度に貫通判定が発生する。車の窓ガラスなど貫通にさほどの運動エネルギーを要さないモノならば複数回貫通していく。民家の天井や床ぐらいなら意外と貫通するため、体の一部が見えてからの反応速度で撃ち合いの結果が決まっていたこれまでのGRとは違う銃撃戦が可能となった。

装備

GRWではライフル系を二丁携行できるようになった。いわゆる長物の二本差しである。

二丁持つことに特別のペナルティはない。重量制限があるわけでも移動速度に何か課されるわけでもないので好きなものを担ぐことができる。ただし同じ銃種間では一丁分の弾薬を共有するため注意が必要だ。少し不思議なこのルール下では違う種類の銃を担いだ方が長く戦えるという解釈になる。また一丁だけにして二丁目を外すという選択もできないようだ。見た目にこだわる向きにはなかなか困った仕様と言えるだろう。

単純に持ち歩ける銃が一丁増えただけのように思えるが実はGRにおいては一大方向転換ともいえる大事なのである。この二本差しが何を意味するかというと、異なる二つの局面に特化した銃を持ち歩けるようになるという事だ。

これまでのGRでは一人が一つの役目に専門化して、チームワークで事に当たるスタイルだった。GRWでは二丁持つことでその専門性が薄れ、様々な局面を全員がそれなりに対応できるスタイルとなる。

オープンワールド化で隊員間の距離も無制限に取れるようになった。撃ち出された弾丸は自由落下し、距離が開くと劇的にその精度を失っていく。隊員が移動できる範囲とカバーできる範囲との関係が大きく変わったGRWでは離れた隊員には個々に対応する能力が求められるようになった。そのための二本差しだ。

例えば狙撃手役が次の狙撃ポイントを求めて狙撃システムを背負って移動する場合、これまでのGRではハンドガンかよくて小ぶりの短機関銃ぐらいしか持てなかった。一人で移動するのは正直心もとなかった。しかしGRWではハンドガンとは別にMP5やその気になればSAWを担いで移動することもできる。つまり自分が「どこ」で「どういう役」をしたいのかをかなり自由にまたは多重的に設定して遊べるようになったのだ。

困った事にいつでもどこでも装備が変更できる緩~~いシステムのせいで二本差しの意味すら薄くなっているような気もしますが、まぁそこは UBI のやることですからw

ミッション

これまでのGRシリーズはミッションを進めるにあたり少なからず不本意なトライ&エラーを強要されることがあった。

本来、重厚かつ正確に行われるべき事前偵察を「意外性を演出したいゲームデザイナーの都合」で意図的に情報欠落させたテキストに替え、それを元にブリーフィングを行っていたからだ。言わばミスリードされた装備選択で「詰み」が発生していたのである。再度ブリーフィングから始めるプレイヤーの脳裏に「どうだい?いるはずのない戦闘ヘリの襲来にびっくりしただろう?」としたり顔で訊いてくるデザイナーの影がチラつくのである。これでは「まるで覚えゲー」という批判が出るのも無理はない。

GRWではその意図的に改ざんされることがあった事前偵察をプレイヤーが好きなだけできるようになった。そして自分で集めた情報をもとに「どこ」から「どのタイミング」で「どうやって」仕掛けるかを組み立てることができるようになった。覚えて装備を合わせる遊びから、装備に合わせて攻め方を変える遊びへ。これこそGRWのオープンワールド化の最大の恩恵と言えるだろう。

もちろんある程度敵は「湧く」し何がしかの交通インフラと繋がっている以上、外部から予測不可能な何かがやってくる可能性はある。しかし二本差しやいつでもどこでも装備を変更できるだらしないシステムをはじめ、GRWでは弾数さえ使えば大抵の相手は撃破できるし、なにより「稜線の向こう」へ逃げることもできれば「様子を見てまた戻ってくる」ということもできる以上、意図的で理不尽な「詰み」はほぼなくなったといっていい。

またステルス性を重視して可能な限り「湧き」や「予測不可能な介入」を防ぐ遊びもできる。侵入に際して最低限必要な脅威だけ排除して、あとはフレアガンなど周囲の注意を他方に惹きつけるアイテムを活用して深部に入り目標を達成してさっさと逃げてしまう。或いは、SYNCショットで排除する敵の順番を練れば大方の敵を騒がれることなく双眼鏡やドローンのカメラ越しに始末するパズルゲーム的アプローチも可能だ。

目的さえ達成してしまえばどういう経緯を辿ろうとかまわないのがオープンワールド化したGRWのミッションの有り様なのだ。

WILDLANDS は一つの到達点

初代GRが登場した 2002年は特別な時期であった。R6(RS/UO) が冷戦後の対テロ作戦の有り様を扱ったゲームとして不動の地位を築いた頃であり、アメリカで同時多発テロが発生した翌年であり、連日アフガニスタンでの軍事作戦の様相とイラクへの包囲が狭まっていくニュースでもちきりだった頃である。

初代GRR6/UOで好評だったMODをはじめからシステムとして取り込んでいたため、当時実際に行われた特殊作戦を扱ったミッションがユーザーによって大量に作られ出回った。その意味で初代GRは現実にあわせて変化し次々と新しい要素がユーザーから提案されそして加えられるという時代の波に乗ったタイトルだったと言える。

このブログでよく原理主義者という表現を使いますがR6/GR原理主義者とはこの「常にどこかで誰かが新しい遊びを提案するという汲めども尽きせぬ遊びの泉」に心底酔いしれた酔っ払い(時々暴れる/乱闘して酒場の主人につまみ出される)という意味で使っているわけでして、この辺りのお話や感じ、伝わるかな~?

以後、GRシリーズは幾つか続編が出るも、ガチガチに固められたストーリーやレベルデザイン、MODへの非対応等々で「日々、何か新しい遊びが提案されるゲーム性」を失っていく。時代的にゲームはリニアで一本道な映画的アプローチのFPSが大流行していた頃である。

時は流れリニア構造への反動としてオープンワールドスタイルのゲームが台頭し始める。そこへ登場したのがこのGRWである。GRWMODこそ非対応であるがオープンワールド化でその時の気分で遊び方を探し、試し、決めることのできる積み木やブロックのような「おもちゃ」として姿を現した。

誰かが提案するのを待つのではなく、その時自分が遊びたい方法で遊ぶ ――GRWは初代GRが切り開いた「果てしなく誰かが提案する遊び」に対する一つの答え、一つの到達点といえるだろう。ここに至るまで実に 15年の時を要した。

もしあなたがGR原理主義者を自称するのならこの 15年かけて出された答えを実際に遊んで確かめてみてほしい。いろいろと惜しい部分はあるのだが、私はこの 15年目の答えに十分満足している。GRWは久しぶりに面白いGRだ。

 

 

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