レディMはミリアだと信じて疑わない者の呟き

DATE: 2016-09-27CATEGORY:ANIMETAG:

いやぁ、マクロスΔ(デルタ)とりあえず終わっちゃいましたねということで、今回はその感想(としょーもない妄想)を。それなりにネタバレあり。

大筋。ゲーム「VF-X2」でフォールドクォーツなネタが出てからの「F」のバジュラ戦役を経て今回の「Δ」の流れはよくできてるなぁと。銀河規模の思考ネットワークへの憧れと支配。今回ついに行方不明となったままの初代移民船団メガロード1の名前も出てきましたし、いよいよプロトカルチャーの末裔が「時空を超える」ための仕込みがまた一歩前進したなと興奮してしまうわけです。

Δで時空を超える現象や可能性について提示してしまったので次のシリーズは巨大企業が時空を超えるプロトタイプエンジンとそれを運用するための専用の実験船とそれを護衛する新型可変戦闘機を扱って、さらにその次のシリーズで量産化された新型超時空機関で銀河深淵部だとか別銀河への挑戦が描かれ、その過程で時空の異なる二点間で発する歌エネルギーが驚異的な超時空跳躍を可能にすることが判明し、そしてその次辺りでメガロードで何が起きたのかという視点の映画とメガロードを救出しようとするジーナス家一族が率いる特殊部隊のVF-100番台の最新鋭可変戦闘機群がミンメイの発する歌の波動をとらえて歌で「応答跳躍」し突入する映画の二本立てで劇場公開して歴代歌姫が「愛おぼえていますか」熱唱という流れが私にも見えます(本当かよ

そして、時間と空間を超える力を持った人類の前に「末裔のおかげで現代へ脱出(応答跳躍)する選択肢を得た」プロトカルチャーと最強の敵「監察軍」が立ちはだk ―― というような妄想はさておき、Δの個々の部分で気になったところを少々。

ウィンダミア人の設定は好きなんです。ルンという謎の器官は言ってることと思ってることを同一フレーム内で表現できるアニメ的にかなりおいしい器官でかつそれほど高度な描写センスを要求しないという制作コスト的にも画期的なアホ毛の進化系の器官だなと。あとコスプレ勢にも何気にやさしい親和性の高い要素でルンっぽいものさえつけておけばとりあえずマクロスΔ関連であることが伝わるのってすごいと思うんです。

コスプレ勢と言えばルンがつけられない場合でも目の前で指で「W」を組んでおけば何とかなるあたり、企画段階から相当狙ってるんだろうなという感じが。

ウィンダミア人の特徴のもう一つは寿命が地球人やゼントラーディ系と比べると遥かに短いということなんですが、今回、この寿命の描写が淡白で今一つな感じなんですよね。

たぶんデルタのテーマの一つに「時間を超えるには」というのがあるんだろうなと思うんですが、その中でウィンダミア人の寿命はかなり重要なウエイトを占めてるはずなんですが、ががが、どうにも印象が弱い。限られた時間の中で答えを出すのを先送りにする業の深さ、また限られた時間に怯えて慌てて答えに飛びついてしまう悲しさみたいなのをもっと強く描いてもよかったんじゃないかなと思うわけです。地球人の主人公がとある問いかけに対して「もっとゆっくり考えよう」的に先送りしたのを受けてウィンダミア人のヒロインが大きなショックを受けるというシーンが一回だけあったんですが、あれだけだとやっぱりキーワードとして印象が薄いなぁと。

印象の薄い理由は幾つかあるのかもしれませんが、日常として描かれる光景に登場するウィンダミア人がヒロインの一人きりということで観ている側は「あれ?それがウィンダミア人の女の子の平均的な反応なのかな??」と疑問を持ちながら見ているあたりが主因かなと。ウィンダミア人の一般的な人生観とヒロインの引っ込み思案な性格を切り分けるためにも、もう一人、ヒロインと同じ年頃のウィンダミア人の女性キャラを出して即物的で刹那的で限られた時間の中をのたうち回り大暴れして地球人と出会ってしまったばかりにおのが寿命の短さを呪い慟哭しつつストーリーラインから退場していく存在があればよかったかなぁと。

最終話でウィンダミア人でありながら引っ込み思案なヒロインの感情の起爆プラグとしてもう一人の推定長寿なゼントラーディ系のヒロインを使ってました。確かに起爆プラグとして悪くはないんですがやっぱり総火力というか事前の仕込みが弱かったせいか「う、うん、そうだね」的なやや湿気た感じに。

この寿命の違いはマクロス世界にあってはいろいろ話の展開が可能なだけにもうちょっと尺を割いてほしかったなぁと。それ以前に最終話は少し尺が足りなかったというか詰め込み過ぎだろという印象が強かったですが。

たぶんそのうち劇場版が出るんだろうなとは思うんですが、その時はヒロイン二人の性格分けや配分が少し変わるんじゃないかなと予測つつ、ワルキューレのアルバムを買わなきゃと思うのでありました。

「Δ」の音楽は良かったなぁ。「F」はアイドル要素が強めでやや単調な感じでしたが、「Δ」はいろいろな要素が入ってて「歌謡曲」的で面白かったです。エンディングもどれも初代ランナー的な「ああ、日曜もこれで終わりか的な、明日からまた新しい週か~」的な切なさの漂ういいエンディングだったと思います。

最後に。何の疑問も抱かずにレディMはミリアだと思って観てたんです。あの人、エースパイロットで史上初の異星間結婚で特殊作戦軍の指揮官経験者でパイロット養成の教官で一移民船団とはいえその大人気市長で親族に軍属/音楽芸能関係を多数擁するファミリーの頂点で、そんな彼女を頼ってくるであろうゼントラーディ系の政治や企業の驚愕のバックアップを受けてそうで個人で調達所有していると思われる最新鋭の可変戦闘機をいつでも飛ばす体力とかそもそもゼントラーディでは指揮官や参謀や一部のエースパイロットは交換の利かない部品として高く評価されて遺伝子操作とかで肉体強化されてる可能性があるのでΔの時代でも若々しい可能性十分にあるわけで。メガロードが行方不明になったと聞いて旦那と一緒に新婚時代を支えてくれた未沙や輝やミンメイを助ける方法はないかとか探ってそうじゃないですか。特にミンメイはゼントラーディ系にあっては宗教的な位置にあるでしょうからいろんな方面から聖遺物探求的な意味合いで時空を超える方法を探してそうなんだけどなぁ。何よりミリアの血筋ほとんどのマクロスシリーズで何かしら噛んでますし。あれですよ、ジーナス家を陰で率いるミリアはマクロス世界のマリア・テレジア的な。でもこの意見少数派っぽい。

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